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特急の雄姿パシャリ 北陸本線の撮影バスツアー人気 新幹線開業で金沢・敦賀間の特急廃止

2024年2月20日 21:43
特急の雄姿パシャリ 北陸本線の撮影バスツアー人気 新幹線開業で金沢・敦賀間の特急廃止
特急サンダーバードを写真に収めるツアー客=17日・日野川沿い(越前市)

北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業に伴い、この区間を走る特急列車が廃止されます。馴染みのサンダーバードやしらさぎの貴重な雄姿を写真に収めようと、鉄道ファンが連日県内を訪れていて、撮影バスツアーも人気です。(2月20日)


南越前町のJR南今庄駅では17日、鉄道ファンたちがカメラを手に、嶺北と嶺南を結ぶ北陸トンネルの出入り口に向かいました。絶好の撮影ポイントで狙うのは、新幹線県内開業に伴い嶺北を走る姿がもうすぐ見られなくなる北陸線の特急サンダーバードやしらさぎです。

鉄道写真家の米屋こうじさんを講師に迎えた北陸本線の撮影バスツアーに参加した人たちは、3月に迫った新幹線開業に寂しさを口にします。

■ツアー参加者
「新幹線は早くて便利だが、景色を見るには下走っている方が絶対楽しいのでちょっと残念」
「沿線の風景がすごく美しくて、それが3月の新幹線開業以降は見えなくなるのは残念」
■鉄道写真家 米屋こうじさん
「鉄道ってやっぱり自然の中を走っている沿線の風土や街並みも含めて文化を感じられる。写真で残していけたらといつも思っている」

京都の旅行会社が企画した撮影バスツアーは2日間で、滋賀県の米原駅発着で北陸本線の撮影ポイントをめぐります。講師の米屋さんはバス車内で参加者に「今はどんどん走っている北陸線の区間も、特急街道の様子が見られなくなりますので、みなさん2日間で存分に撮影を楽しんでもらえればと思います」と呼びかけていました。

敦賀から北で特急サンダーバードとしらさぎの雄姿を撮影できるのは今年が最後とあって、全国各地からファンが集まっています。

■ツアー参加者
「千葉県です。自分の思い出も振り返りながら、北陸ならではの風景の写真記録ができたらと思う」
■ツアー参加者
「関西からあの後姿がもう見られないようになるのかという一抹の寂しさがある」

続いて向かったのは越前市の日野川橋梁。参加者たちは北陸ならではの雪景色を期待していたそうですが、この日は春らしい青空のもとでの撮影に。12両編成の特急サンダーバードが鯖江から武生に向かう姿を無事カメラに収めることができたほか、しらさぎも、日野川橋梁を渡って走り抜けてきました。

■鉄道写真家 米屋こうじさん
「やっぱり編成が長い。大動脈という感じ。かっこいい。編成の長い特急はなかなか見られないので。実は山形県の生まれだが中学生の時に東北新幹線ができて、地元を走る特急列車がどんどんなくなっていった。その時も寂しいと思ったが、気持ちが重なるようなところがある」

■ツアー参加者
「柳ヶ瀬線から電化されて北陸トンネルになって今度は新幹線。時代は動いていくからしょうがない。転換点のところに立ち会えたということで、自分の中でこれを機にという感じ」

サンダーバードは27年。しらさぎは60年にわたって県内を走り続けました。様々な人の思いを乗せて。嶺北での“特急ラストラン”は3月15日です。

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