国の重要文化財“レプリカ”で販売 「獅子目貫」新たな土産物に 刀と柄を固定する装飾品 福井市・一乗谷朝倉氏遺跡博物館
開館から2周年を迎えた一乗谷朝倉氏遺跡博物館に、国の重要文化財を再現した精巧な土産物が登場し、朝倉氏の栄華を伝える新たな名物となりそうです。
国の重要文化財「獅子目貫(ししめぬき)」。刀と柄(つか)を固定する部分につけた装飾品で、上級武士が使っていたとされています。きらびやかな純金製で、博物館の目玉展示の1つです。
このレプリカが1日から、土産物として販売が始まりました。彫り具合やきらびやかさも忠実に再現しています。
手掛けたのは、福井市に住むプロモデラーの酒井正人さん。
■S MODEL WORKS 酒井正人さん
「大きさの割には3センチほどしかない大きさの中に、細かく細かく筋が入っている。省略をなるべくなくして再現するのがすごく大変でした」
実物は触れることができないため、これまでレプリカを作るのは困難でした。そこで今回、作品に触れずに形を認識できる3DレーザースキャナーやX線を使ったCTなど、最新の機器を導入しました。
さらに獅子の目や毛並みなどの細かい溝を再現するのに、金は光を反射して細部まで読み取れないため、一つ一つの溝の形をパソコン上でデータ化して、3Dプリンタで再現しました。
■S MODEL WORKS 酒井正人さん
「今の時代だとパソコンがあったり、ルーペがあったり、いろんな電動ツールがあったりするけど、当時は拡大鏡もないと思う。(当時の職人が)この小さいのをどうやって細工していったか、本当にすごい」
滑らかさを出すために完成したパーツは手作業で修正し、地元の仏壇職人が金箔を貼りつけました。
■来館者(岐阜県から)
「手に触ることができなかったし、上(展示)では。こうやって身近に見えるのでいい」
■来館者(越前市から)
「細かい所まで彫られてて、素晴らしい」
■一乗谷朝倉氏遺跡博物館 清水邦夫館長
「ほんとに小さい目貫を、ここまで精巧にできるのかと大変びっくりしました。目貫が加わったことで、さらに品ぞろえが豪華になったので、たくさんの人に満足してもらえる」
新幹線開業から半年あまり。観光客も順調に増えている博物館に、朝倉氏の栄華を伝える新たな名物が加わりました。