部員不足の中学野球部 スポーツの日、OBの協力で親善試合 過疎の町に響き渡る温かな声援 福井県池田町
スポーツの日の14日、池田町では世代を超えて、白球がつながりました。部員が足りず、チームが作れない池田中学校の野球部が、OBの支援を受けて交流試合に臨み、試合を楽しみました。
過疎化が進む池田町。池田中学校の野球部は部員わずか4人。3年生5人が引退した後、メンバーが足りなくなり、秋の県大会への出場は見送りました。存続の危機に立たされています。
■池田中学校 野球部 森下虎之介主将
「野球部がなくなりそうなところで、部員のみんなが次の夏の大会に向けて頑張ってくれて、今がある」
こうした中、母校の選手を応援しようとOBが立ち上がりました。親善試合を企画したところ、60人が集まりました。
■円陣掛け声
「人数が少なく、試合ができなくて嫌だなと思った時があったけど、こうしてみんなでやれることができてうれしい。楽しんでいきましょう」
野球部の現役選手と高校生でつくるU-21と、70代を含むレジェンドチームでの対戦が組まれました。
試合は満塁ホームランでU21がリードを奪いますが、レジェンドチームが現役時代さながらの白熱したプレーで競り勝ちました。
子どもたちの夢に寄り添った大人たちの心は、すっかり野球少年に戻っていました。
■甲子園出場の経験もあるOB 内藤徳博さん(64)
「50年前の話になるが、巨人の星という漫画がはやりまして。部員は20人ほどいた。若い人が参加してくれるのは自分も思ってもいなかった。若い人の力をこれから社会に活用してほしい」
少ない人数でも、励ましあいながら練習してきたメンバーは、試合の楽しさを実感しました。また、多くの住民が観戦に訪れ、過疎のまちに温かい声援が響き渡りました。
■観戦した人
「スポーツはいい」
池田中野球部は今後、他の中学校と合同チームを組んで、県大会出場を目指します。
■池田中学校 野球部 森下虎之介主将
「自分たちの頑張りを地域の人に見せて、この野球部を続かせることできたら」
「小学校でも野球したい子がいるから、そのために続けていけるように。難しいことだけど、この温かさとつながり方を、他の人も野球を通して知ってほしい」
白球にのせた熱い思い。感謝を胸に、世代を超えて地域のつながりを深めました。