【北陸新幹線】インバウンド客の誘致へ 専門家と受け入れ態勢整備 多言語での表記や免税対応 開業効果の持続なるか
新幹線開業から1年となるのを機に、これまでの成果とこれからの課題を探るシリーズ。最終回のテーマは「インバウンド」。開業効果の持続に向けてカギを握るのは、外国人観光客の誘致です。
■相談風景
「いまだに越前でとれた土を使って越前焼を作っているというのを大切にしている。窯元を訪れないお客さんにもここに来て、それがパッと伝わるようにしたい」
「海外のお客さんって、そういうの大好き」
越前焼組合の職員と意見を交わすのは、インバウンド専門プランナーのピエールさん。県観光連盟では、インバウンド客の誘致を進めるため、専門スタッフが施設や店舗を受け入れ態勢の整備をサポートしています。
こちらは敦賀市の日本海さかな街で水産加工物などを販売する店舗。外国人観光客が利用しやすい店づくりに力を入れています。
■島屋 寺島義人代表取締役
「インバウンド客って、話した時にテンションの上がり方が日本人の観光客とはちょっと違う。外国人に接客するのって楽しいなという感じで機会を増やしたい」
インバウンド対応の売り場づくりはどこまで進んでいるのか。ピエールさんとともにチェックしてみました。
■2人のやりとり
ピエールさん「手書きのサイン(POP)もある」
寺島さん「始めはこれでやってて、2~3か月前からこれにグレードアップした」
ピエールさん「QRコードもあって。英語以外の言語でも見られるようになっている?」
寺島さん「はい。客もすごく喜んでくれる」
ピエールさん「始めて何か反応が変わったりした?」
寺島さん「す~ごく接客しやすくなった」
ピエールさん「素晴らしい。きっと客も喜ぶ。印象に残る店」
また、免税やキャッシュレス決済が利用できることも店内に貼り出されていました。ピエールさんからは店の魅力を発信する方法についてアドバイスが。
■2人のやりとり
ピエールさん「わがままを言わせてもらうと、情報発信。SNSで投稿したりしている?」
寺島さん「SNSではインバウンド客向けにはしてない」
ピエールさん「理想で言うと、英語・広東語があったほうがいいかもしれない。あとはハッシュタグとかで"中国語枠"みたいなのを作って。5個くらいは日本語じゃなくてそっちの(言語)」
ところで、去年1年間に県内で宿泊した外国人観光客の数はおよそ8万9000人。前の年と比べて2万5000人増えましたが、全国46位と低迷しています。しかし、外国人観光客自体は増加の兆しもあるようです。
■県インバウンド推進室 松石健司室長
「来ていただいている方々は非常に増えているというデータがある。(去年と比べて)3倍に増えているという状況はあるが、来ている方が夜になると36%に減っているというデータがあって…」
そこで、県が力を入れているのが外国人観光客向けのナイトコンテンツづくり。福井市では、三味線と太鼓の生演奏に華麗な芸妓の舞など、夜も楽しめるコンテンツを用意しました。
■県インバウンド推進室 松石健司室長
「泊まってもらうための受け入れ態勢や環境・観光コンテンツを整えることが大事。そこまで人は来ているので、十分頑張れると思っている」
日本を訪れた外国人宿泊客がどこに泊まったのかを地域別にみると、関東・関西が大多数を占めていて、北陸の割合はわずか1.6%。さらにその北陸の内訳は福井が3%となっていて、伸びしろは大いにありそうです。