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【猛暑で注目】“熱くならない”人工芝 独自に開発 きっかけはラグビーでの息子のやけど 福岡

2024年8月10日 7:59
【猛暑で注目】“熱くならない”人工芝 独自に開発 きっかけはラグビーでの息子のやけど 福岡
“熱くならない”人工芝を開発

毎日、厳しい暑さが続いています。屋外で子どもを遊ばせる時には熱中症もそうですが、地面の熱さを心配する人もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中で注目されているのが、福岡県宗像市で開発された「熱くならない」人工芝です。

■園児
「だるまさんが転んだ!」

福岡県春日市にある森の木幼稚園です。真夏の日差しの中で、子どもたちが元気に体を動かしています。駆け回る足元は、なんだか不思議な感覚だといいます。

■園児
「なんか冷たい。はだしの時。」
「体育座りの時。なんか気持ちいい。」

7月、この幼稚園では、もともと園庭に敷かれていた人工芝を改良しました。クッション材として、芝の間を埋めていたゴムチップを「特殊な土」に変えたのです。

■白水学園・白水剛 理事長
「この3~4年の暑さで、大人でも子どもでも、はだしで外に出るのがすごく暑かったです。今回、「寒土(かんど)」という土を入れたら、明らかに違うと感じています。」

手がけたのは、福岡県宗像市にある人工芝のメーカーです。

■COOOL・浜口光一郎 社長
「ここが冷却人工芝と言っている芝生です。天然芝と同じように“土を入れて”充填する。」

芝の間を埋める「特殊な土」は、この会社が独自に開発しました。原料は、石灰岩を砕いた粉末と保湿性のある2種類の土、さらに川砂と、すべて天然素材です。日本家屋に使われる「しっくい」をヒントに作ったといいます。

■浜口社長
「この4つをブレンドすることで“山の土”を再現して作っていまして、冷却・保水・抗菌を図っていく、自然の原理を利用している。」

この土を入れた人工芝は本当に熱くないのでしょうか。炎天下で表面温度を測ってみました。

ゴムチップが入った従来の人工芝の表面温度は59℃。それに対して、特殊な土を入れた人工芝の表面温度は45℃です。従来の人工芝より、14℃も低い温度でした。

浜口さんはあるきっかけでこの土の開発に着手しました。

■浜口社長
「自分の子どもがラグビーの試合で、やけどして帰ってきて。スパイクのビョウごとやけどして点々に、真っ赤になって。」

高校やキャンプ場でも

やけどをしてしまうほどの足元の熱さを何とかできないか。浜口さんはゼネコン勤務の経験を生かして、新たに会社を立ち上げました。

外部の研究機関の協力も仰ぎながら、表面温度の上昇を抑える土と、形状や生え方を天然芝に近づけた人工芝を開発しました。

いまでは長崎県の高校のブルペンや、山梨県のキャンプ場など全国各地で導入されているということです。

■浜口社長
「子どもたちが自由に遊んだり、キャンプができたりできる空間としては、成長しない緑の毛と、私たちの天然芝と同じ、それ以上の冷却の土をハイブリッドすることで、皆さんの理想とする空間を創る。」

7月の平均気温が観測史上最高を記録したこの夏。危険な暑さから身を守る工夫が、ますます求められています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2024年8月6日午後5時すぎ放送

最終更新日:2024年8月10日 8:17