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【先生の残業代を考える】教育実習生「大変だけれど、やりがい」県内で100人の教員が不足 働き方の改善は 福岡

2024年8月27日 6:46
【先生の残業代を考える】教育実習生「大変だけれど、やりがい」県内で100人の教員が不足 働き方の改善は 福岡
先生の働き方を考える

夏休みが終わり、学校が再開します。その教育現場では、長時間労働などを理由に“先生のなり手不足”が深刻です。国は今、先生の働き方を改善することで、なり手を確保しようとしていますが、そこには壁があるようです。

■教育実習生・谷口舞さん(20)
「おはようございます。」

福岡市西区の姪北小学校で、西南学院大学の3年生の谷口舞さん(20)が、教育実習生として3年生の教室に入り、クラス運営のノウハウなどを学んでいました。

授業が始まる前の教室では。

■児童
「先生、ピアノピアノ。」
■谷口さん
「ピアノしようか。踊って、みんな、いくよ。」

谷口さんが大切にしていることは、子どもたちの目線に立ち、一緒に学びを楽しむことです。

■児童
「優しくて、みんなのことを思ってくれる。」
「僕たちの勉強の仕方に心を合わせてくれる。」

■教育実習生・谷口さん
「すごく楽しいです。子どもたちが元気で話しかけてくれて、頑張る理由になります。先生の仕事は大変だけれど、やりがいのある、いい職業だなと思っています。」

しかし今、先生の『なり手』は減っています。

福岡県の教員採用試験のことしの倍率は、小学校で1.2倍、中学校で2.1倍で、いずれも過去最低でした。長時間労働などを理由に敬遠され、福岡県内の小中学校ではあわせて100人ほどの教員が不足しています。

ことし5月、文部科学省の諮問機関は「先生の処遇改善」として、法律の見直しを盛り込んだ答申書を大臣に提出しました。

1971年に制定された「給特法」では、公立学校の先生に月額給料の4パーセントを基本給に上乗せする代わりに、時間外手当などを支給しないと定めています。この4パーセントは当時の平均的な残業時間の月8時間を反映したものでしたが、今回の答申では、これを10パーセント以上に引き上げることが提言されています。

法律の改正が実現すれば、半世紀ぶりの引き上げとなります。しかし、学校現場からは疑問の声があがっています。

■現場の先生
「4パーセントから10パーセントにする、政府は、それで幕引きを図るつもりでしょうか。給料が欲しいわけではないんです。子どもたちに元気を与えられる余裕が欲しいんです。」

給料への上乗せ分が引き上げられても、“残業代”を払わないとする「定額働かせ放題」の枠組みは残るため、長時間労働の抑制にはつながらないという指摘です。

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