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生活保護の基準額引き下げは違法 取り消す判決 逆転勝訴は全国2件目 福岡高裁

2025年1月29日 17:54
生活保護の基準額引き下げは違法 取り消す判決 逆転勝訴は全国2件目 福岡高裁

生活保護の基準額を引き下げたのは違法だとして、福岡県の受給者が国や自治体を訴えた裁判です。福岡高裁は29日、1審判決を変更し、引き下げを取り消す判決を言い渡しました。

この裁判は、物価の下落を理由に生活保護の基準額を引き下げたのは生活保護法などに違反するとして、福岡県の受給者39人が、自治体が行った減額の取り消しや、国に1人10万円の損害賠償を求めたものです。

2021年、1審の福岡地裁は原告の訴えを退けていました。

福岡高裁で29日に行われた控訴審判決で松田典浩裁判長は、引き下げ額の算出方法が一般世帯を対象とした家計調査に基づいていることを指摘しました。その上で「一般世帯と受給世帯では食費などの支出の割合が違う」などとして1審判決を変更し、基準額を引き下げた決定を取り消す判決を言い渡しました。

国の賠償は1審に続き、認めませんでした。

■原告・山脇誠さん
「本当に助かるというか、生活が少しは良くなると思って本当にうれしいなと思います。」

生活保護の基準額引き下げの取り消しを求めた裁判は、全国29の地方裁判所で行われ、高裁レベルでの勝訴は名古屋高裁に続き2件目です。

最終更新日:2025年1月29日 17:54