広島初導入「3面ライブスクリーン」 新たな映画館オープンで映画環境の活性化を
広島駅ビルにオープンするMOVIX広島駅。広島初導入となる次世代型の上映システムで、広島の映画環境の活性化が期待されます。
広島駅の新幹線ホームや駅北の風景も望むことができる「ミナモア」の7階に、新しい映画館「MOVIX広島駅」がオープンしました。白を基調としたロビーは、近未来を感じさせるデザインとなっています。「MOVIX広島駅」は、広島県内初となる新しいスクリーンを導入しました。
「MOVIX広島駅」は、9つのシアターをもつシネマコンプレックスで、個性的なシートなど、合わせて1387席を備えています。
特徴は、シートだけではありません。取材を始めた2024年12月、そこに現れたのは、広島初導入の上映システム「3面ライブスクリーン」です。340インチを正面と左右に配置し、音楽ライブなどの上映も可能といいます。
松竹マルチプレックスシアターズの高橋将晃さんは、立ち上げに携わってきた1人です。この日は、翌日に控えたメディア向け内覧会の最終リハーサルでした。
■松竹マルチプレックスシアターズ 高橋将晃さん
「これまでに何度もテストはずっとやって、調整もやってきたので、「問題なくここで大丈夫だね」っていうところで、見ていただければなと思っています。」
「3面ライブスクリーン」と一般スクリーンとの違いの説明を、高橋さんが担います。
■松竹マルチプレックスシアターズ 高橋将晃さん
「3面ライブスクリーンは、従来の1面スクリーンに比べて、映像表現が飛躍的に進化し、より深みのある映像体験を提供します。」
聞いていたスタッフからは、こんな指摘が…
■スタッフ
「高橋さんの説明のときに、(スクリーンに)何も映っていないのが、若干やっぱりさみしい感じ…」
どうすれば、県内初導入のスクリーンの魅力が伝わるのか、議論を重ねます。
■松竹マルチプレックスシアターズ 高橋将晃さん
「あとは技術的なリハの方ですね。なんとなく見えてきたので、あとはその調整と、ちょっと時間がかかるけど、やって。」
広島市近郊の映画館は、「MOVIX広島駅」のオープンで10館に増えます。県内の映画館でつくる組合では、新たな劇場のオープンを歓迎しています。
■広島県興行生活衛生同業組合理事長 藤本勇次さん
「行きやすいところに映画館ができたと。今まで10年間1回も映画館に行かれてなかったようなお客様も、商業施設にも魅力があるでしょうから、それのついでに映画でも見ようかとか。広島市内だけでも多分2割から3割は、新しいお客様が増えるんじゃないかなと。」
「MOVIX広島駅」から直線距離でおよそ1キロの場所にある、広島市中区の八丁座は、県内産の特注の椅子を設けるなど、こだわりの運営を続けています。
■八丁座館主 蔵本順子さん
「うちはうちらしく。地味でも地道に激しく、お客様のニーズに応えて、細く長く営業できることを目指しています。」
上映作品の違いなどで差別化を図る一方、期待するのは、業界全体の活性化です。
■八丁座館主 蔵本順子さん
「映画館業界としては、駅にできるシネコンも広島の人に認知していただきたい。対立ではなく、お互いに切磋琢磨して、劇場の環境を良くする。そういう競争が、必要だと思います。」
迎えた内覧会当日。集まったメディア関係者に、「3面ライブスクリーン」をお披露目です。
■3面ライブスクリーンナレーション
「上映開始から常時3面全てに、大迫力の映像が映し出されます。通常のスクリーンでは成し得なかった、これまでにない没入感。」
340インチ、3面のスクリーンで横幅は22.5メートル。ダイナミックで躍動感あふれるワイド画面が、目の前に広がります。さらに、今回のスクリーンのために作られたという、サウンドシステムも抜群の臨場感を演出します。
そして高橋さんが、スクリーンの特徴をアピールします。
■松竹マルチプレックスシアターズ 高橋将晃さん
「これまでの映画は、1つのスクリーンに視線が固定されていましたが、3面ライブスクリーンでは、シーンに応じた映像表現の切り替えによって、鑑賞から没入体験へと引き込みます。」
スクリーンに映像を映し出しながらの説明で、より説得力を持ったアピールができ、自信を深めたようです。
■松竹マルチプレックスシアターズ 高橋将晃さん
「ようやくこの中四国の方で、広島で初めて導入できたので、ぜひここでこの3面ライブスクリーンというのをご体感いただいて、広島県の他の映画館さんと一緒に盛り上がっていければいいなっていう風に思っております。」
【テレビ派 2025年3月21日放送】