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【回顧2023】G7広島サミットと被爆者

2023年12月27日 9:20
【回顧2023】G7広島サミットと被爆者

この1年を様々な角度から振り返る「回顧2023」です。今回は、5月にあったG7広島サミットで、首脳と対面した被爆者たちのその後です。

■小倉桂子さん
「世界のリーダーたちにお話をしました。5分で被爆体験を話し、彼らの心を動かせっていうことなんだから、どんなに大変だったか。」

12月10日にあった、核戦争の危機について考えるシンポジウム。登壇した被爆者の小倉桂子さんが語ったのは、サミットでのことです。

2023年5月、被爆地で初めて開かれた「G7サミット」。核保有国を含む各国の首脳が広島を訪れ、被爆の現実に向き合いました。原爆資料館の視察は、およそ40分間。そこで対面したのが、8歳で被爆した小倉さんです。英語で語るその体験に、耳を傾けました。

■小倉桂子さん(当時)
「私の目を通して、私の心を通して、追体験をしてくださいと申し上げました。」

各国首脳による共同文書「広島ビジョン」。「核のない世界」を究極の目標とする一方で、「核兵器が存在する限り、防衛のために役割を果たし、侵略を抑止する」としています。「核抑止」を正当化する内容に、被爆者からは落胆の声も上がりました。

■県被団協・箕牧智之理事長
「我々被爆者の願いは、核兵器の廃絶。その願いがむなしく消えていくような気がした。」

そして突如、広島を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領。サミットでは、ウクライナへの武器供与の協議が優先されました。それでも、首脳らが記した「芳名録」には、核廃絶への思いが込められていました。

■小倉桂子さん
「これが、バイデンさんのサインですね。」

アメリカ大統領の「しるし」と、その名を刻んだ手帳です。

■小倉桂子さん
「サミットの時は、多大なる貢献をしてくれて、どうもありがとうというようなメッセージと一緒に、これいただきました。」

小倉さんは、この手帳に海外から訪れた人たちのメッセージを、書き溜めることにしました。

■小倉桂子さん
「最後まで書いてもらったら、いったい何人の人が私の話を聞いてくださって、そして何人の人が、広島を起点に何かを起こそうという気持ちになってくださったのかなと、名前を見ながら思い起こしたいと思いまして。」

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