×

「贋作の可能性が高まった」贋作の疑いが生じていた作品を徳島と高知の県立美術館が購入していた問題で調査を進めていた高知県立美術館が経過報告を発表【徳島】

2025年2月7日 20:11
「贋作の可能性が高まった」贋作の疑いが生じていた作品を徳島と高知の県立美術館が購入していた問題で調査を進めていた高知県立美術館が経過報告を発表【徳島】

贋作の疑いが生じていた作品を徳島と高知の県立美術館が購入していた問題で調査を進めていた高知の県立美術館は7日、「贋作の可能性が高まった」と経過報告を発表しました。

(高知県立美術館 安田篤生館長)
「残念ながら可能性としては贋作であることが高いということが今の時点では言えます」

贋作の可能性が高まったのは高知県立美術館が所蔵するドイツの画家ハインリヒ・カンペンドンクの「少女と白鳥」です。1996年に高知県が1800万円で購入しました。

(ヴォルフガング・ベルトラッキ氏)
「僕にとっては、簡単なことさ。なぜなら、原画を5分か10分見るとその画家のタッチやいつ、どのように描いたか分かるんだ」

2024年6月にドイツの贋作師ヴォルフガング・ベルトラッキ氏による贋作の疑いが高まり高知県立美術館が京都大学の准教授と科学分析調査を進めてきました。

この日の会見ではその調査の途中経過が報告されました。

それによりますと作品の裏に貼ってある絵の経歴を示すラベルがドイツの著名な画商のラベルをまねたベルトラッキ氏の制作だと確認されたということです。

さらに、絵具の成分が、本物の作者が制作したとされる1910年代にあまり使われていないものだったことから高知県立美術館は、この絵画について「贋作の可能性が高まった」としました。

(高知県立美術館 安田篤生館長)
「この絵がたとえ贋作であったとしてもよくできた絵なんだなと」
「本物偽物というのはコインの裏表でありある意味でわれわれ人間の生きざまの証でもあるんだなと」

この作品については今年度中に調査の最終報告が行われる見通しです。

これに対し同じくベルトラッキ氏の贋作の疑いが生じている作品を6720万円で購入した県立近代美術館ではまだ、専門的な調査は始まっていません。

担当者は「高い専門性が必要とされる調査、対応できる機関が限られる中で、内容やスケジュールについて、 専門機関と調整中。

速やかに調査を開始して、公表したいと考えている」とコメントしています。

ベルトラッキ氏は2024年7月四国放送の取材にこう答えていました。

( ベルトラッキ氏)
「10万ドルくらいで売れたかな。そのことは、本にも書いたよ。絵は1988年ごろにパリの業者に売ったと思う」
「混乱を招いて、申し訳なく思っている。ただ知ってほしいのは、当時は若かった。多額の罰金も支払った。もう終わったことだ」

徳島と高知の美術界を揺るがす贋作問題高知の県立美術館は要望が高まれば作品の展示も検討したいとしています。

最終更新日:2025年2月7日 22:01

ニュース

ニュース