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課題をビジネスチャンスに TSMC工場近くのホテル買い取りリノベーション

2024年9月30日 20:25
課題をビジネスチャンスに TSMC工場近くのホテル買い取りリノベーション
東熊本ビジネスセンター・河野静さん
TSMCの進出で変わる熊本のまちや人々の暮らしをシリーズでお伝えする「チェンジ熊本」。課題をビジネスチャンスに変えようという取り組みを追いました。

大津町にある宿泊施設「東熊本ビジネスセンター」。ことし2月にオープンしました。
宿泊施設を運営する河野静さんです。中国出身の河野さん。熊本市を拠点に夫とともに、アジアの国や地域との貿易業などを営んでいます。

なぜ、大津町に宿泊施設をオープンしたのか。背景にあったのは「海外からのビジネス客の需要の高まり」でした。

■東熊本ビジネスセンター・河野静さん
「TSMCが熊本に進出して、台湾のお客様がたくさん来る中でホテルが足りない、いろいろなものが足りないのでこの施設を経営することになった」

TSMCの工場進出をきっかけに、周辺で相次ぐ半導体の関連企業の進出や工場の増設。九州フィナンシャルグループは、TSMCの第2工場を含む半導体企業の進出や投資は、2031年までの10年間で171社に上ると見込んでいて、県内への経済波及効果は約11兆2000億円と試算しています。今後もしばらくは宿泊需要は高い状態が続くと見込んだ河野さん。

熊本空港やTSMCの工場まで車で10分ほどの場所にあったホテルを買い取り、リノベーションすることを決断したのです。メインターゲットはビジネス客。広々とした部屋にランドリーを備えるなど、長期滞在しやすい環境を整えました。フロントには中国語や英語が話せるスタッフが常駐。空港までの送迎やレンタカーの貸し出しなどのサービスにも力を入れています。

この日、訪れていたのは、熊本でビジネス展開を考えているという台湾からの宿泊客。部屋で商談に向けた打ち合わせを行っていました。

■台湾からのビジネスコンサルティング会社
「わたしたちは仕事でTSMCを見に行かなければいけないから近くに滞在する方が都合がいいです。わたしたちの仕事は緊張感があるため渋滞で時間を無駄にしたくありません」

■台湾からのプラスチック製造会社
「外国人が無事に到着できるような宿泊施設をつくってもらっているので私たちとしてはすごく安心してビジネス利用している」

TSMCの工場進出をきっかけに、「ヒト」の動きが活発化している工場周辺。浮き彫りとなった課題をヒントに新たなビジネスが生まれています。

■東熊本ビジネスセンター・河野静さん
「熊本に来ている皆さんにどれだけ貢献できるビジネスを提供したいので、全力で前を向いてやっていく」

最終更新日:2024年9月30日 20:25