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梅雨の大雨に備える 車中泊避難のポイントは「目からウロコの防災術」

2024年5月24日 18:03
梅雨の大雨に備える 車中泊避難のポイントは「目からウロコの防災術」
防災士の「しほママ」こと柳原志保さんと学ぶ「しほママの目からウロコの防災術」です。梅雨の大雨に備えようということで、今回は「車中泊」について深掘りしていきます。実際に4年前の熊本豪雨でも多くの方が車中泊をされていました。

コロナ禍初の大規模災害となった2020年7月の熊本豪雨では、1500人が避難所に身を寄せた一方で、1600人が車中泊や在宅避難を選びました。コロナ禍では密集、密接を避けるため、「自宅」や「知人の家」、「宿泊施設」など、避難所以外の安全な場所に移動するいわゆる「分散避難」が注目されました。

今回は「分散避難」のひとつ、「車中泊」のポイントを紹介します。

車中泊避難のポイントは

【VTR】
■しほママ
「『道の駅きくすい』に来ています。ここは災害時の指定避難所になっていて車中泊をすることができます」(指定避難所は道の駅にある「菊水ロマン館」)

いまや防災拠点にもなっている道の駅。地元の住民だけでなく隣り町の人や仕事や旅行で訪れた人の避難先にもなるんです。

■しほママ
「こちらには電気や水道などが止まっても誰もが使える防災トイレがあります」

災害時はライフラインが止まることが多いし、トイレも必ず必要になります。車中泊のポイントとして、近くにトイレや給水設備がある場所を選びましょう。それでは車中泊の準備です。

■しほママ
「大事なのがプライバシーの確保になります。窓を埋めないと見えてしまうので、埋めていきたいと思います」

フロントガラスは通常のサンシェードなどで塞いでいきます。
■しほママ
「まずは100円ショップにある保温シート。大きいサイズが売ってあります。これは黒のガムテープですけど、保温シートを窓の大きさに切って、ガムテープを周りに貼ります。この車の場合は、ちょうどここが 磁石がつくタイプだったので、これも100円ショップで購入した磁石を端っこに付けました。そうすると、すごいんですよ、これで埋まったんです。これでドアを締めると中が見えなくなります」

磁石が使えない場合は、100円ショップにある吸盤でも対応ができます。

そして重要なのが“寝床作り”です。
■しほママ
「寝床をできるだけフラットにしたいので、エアベッドを使います。私のエアベッドは足踏みすると空気が入り、1分足らずで作ることができます。これでベッドが完成です。ゴツゴツを本当に感じないので、しっかり眠れます」

災害時に車中泊する場合は、家からカセットコンロや保冷剤を入れたクーラーボックス、ポータブル電源、食材など必要なものを追加して持っていきましょう。

(平井友莉キャスター)
事前の準備と、ちょっとしたアイデアで快適に車中泊をすることができるんですね・

浸水エリアにある道の駅も

(しほママ)
そうなんです。でも実はこの場所「道の駅きくすい」は、ハザードマップで確認すると浸水エリアに含まれているんです。熊本県内に道の駅は36か所あり、このうち浸水エリアに含まれるのは20か所です。

(緒方太郎キャスター)
道の駅は安全というイメージもありそうですが…。

避難する際は自分でできる備えを

(しほママ)
「道の駅きくすい」のすぐ近くの和水町役場の隣には、指定避難所の一つ中央公民館があります。実際に、地震や大雨の災害時に避難所として活用されています。

■和水町総務課 内野嘉倫さん
「ここは防災倉庫になっています。衛生用のマスクとか、一人用の仕切りベッド、そういったものをここに置いてます」
■しほママ
「ガウンとかも」
■和水町総務課 内野嘉倫さん
「最近は地震が多いので、冬の対策として」

(しほママ)
でも行政の備蓄の量には限りがあります。和水町で保管している避難者用のテントは86張り。全住民には行き渡りませんよね。大雨は事前の準備ができます。全て行政の支援に頼るのではなく、避難する際は自分でできる備えをしていきましょう。

"快適な避難"を目指そう

【スタジオ】■再撮VTR
(しほママ)
改めて車中泊避難のポイントです。
①ガソリンは半分まできたら満タンに

②駐車場所とマナー
トイレと水、電源を確保すること。防犯やプライバシーを守る対策を取る。長時間のアイドリングは厳禁などマナーも大事です。

③リスク予防
そして怖いのがエコノミークラス症候群です。長時間同じ姿勢でいると血栓ができ、肺の脈を詰まらせることで起きる病気です。最悪死に至るケースもあります。熊本地震では、亡くなった方の8割がエコノミークラス症候群も含めた震災関連死でした。対策として、水分をとる、フラットに寝られるようにする、適度な運動と足のマッサージなどです。

②気温(暑さ、寒さ)
朝晩の気温差があるこの時期、車中泊で寝ていると夜中、寒くて眠れないことがありますので、寝袋などプラスして用意しておきます。また、暑さ対策には、充電式扇風機が便利で、熱中症予防にもなります。リスクを予防して、体調を壊さないようにしましょう。

(緒方キャスター)
それでは、きょうの格言をお願いします。

(しほママ)
『車中泊はプチアウトドア』
避難先の居心地がよくなければ、避難をためらいます。梅雨前の今は、プチアウトドアとして楽しく車中泊をするのによい時期です。大雨の早めの避難につなげるためにも、快適な車中泊にトライしてみませんか?