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【災害時にペットと避難】日頃からできる備えは?「目からウロコの防災術」

2024年2月27日 19:30
【災害時にペットと避難】日頃からできる備えは?「目からウロコの防災術」

"しほママ"こと防災士の柳原志保さんとお伝えする「しほママの目からウロコの防災術」です。

今回のテーマは「災害時のペットの避難」。飼い主が日頃から行うべき災害への備えについてお伝えします。

能登半島地震の被災地でも、ペットを避難所に連れていくのをためらう人の声が聞かれました。
■避難した女性
「もしかしたら不快に感じる方がいるかなと思いながら、負い目を感じながら避難所に来た。ここの避難所の方々は、みんな可愛がってくれて、よくして頂いている」

(永島由菜アナウンサー)
しほママは2011年の東日本大震災を経験されています。その時はいかがでしたか?

(しほママ)
我が家はペットショップを営んでいて4匹の犬がいましたが、ペットを連れての避難はできず、病気になったり逃げ出したりした犬がいました。ペットと一緒に避難できなければ野良ネコや野良イヌが増えてしまうという懸念もあるんです。

(永島アナ)
その東日本大震災を教訓に、環境省が推奨しているのが「同行避難」です。災害発生時にはペットと一緒に避難することを原則としています。一緒に避難できても世話ができなければいけません。そこで「同伴避難」という言葉があります。こちらは、避難所で飼い主がペットを管理することを指します。

4年前、熊本市でも台風が接近した際、初めて南区のアクアドームに「同伴避難所」が設置されました。しかし、ペット連れではない人と場所を共有していたことから、においや鳴き声にクレームが出るなど、同伴避難の難しさが浮き彫りとなりました。

(しほママ)
避難所には、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人もいます。ペットの受け入れが難しい現状があるのも事実です。

(永島アナ)
熊本県によりますと、同伴避難ができる市町村は、熊本市や合志市、八代市など20市町村あるということです。(2023年5月末時点)

(しほママ)
同伴避難所にも、屋内でペットと一緒に過ごすことができるケースや、屋外で分かれて過ごすケースなど、それぞれの場所で対応は違います。
このため、最寄りの避難所がどのようにペットを受け入れてくれるのか、事前に確認しておきましょう。

(畑中香保里キャスター)
近くに避難所がない場合はどうすればいいのでしょうか?

(しほママ)
普段から避難所以外の避難先を複数想定しておくことが大切です。例えば、知人・親戚の家、ペット仲間、ペットホテル、動物病院、車中泊、テント泊などです。

専門家に聞く 普段からの備えは

(永島アナ)
一方で、飼い主が普段できる備えはないのか、しほママと取材してきました。
私たちが訪ねたのは、熊本市中央区にある九州動物学院です。ペットを連れた人専用の避難所になっています。

(しほママ)
私も保護犬を飼っています。取材には愛犬「あんちゃん」も一緒です。

(永島アナ)
德田竜之介院長に、まずは飼い主の心構えについて聞きました。

■九州動物学院 德田竜之介院長
「自信をもって家族の一員ですといえるか、そのためにノミ、ダニ、シラミの予防とワクチン、ハウスと言ってキャリーケースに入る訓練をしておいた方がいい」

(しほママ)
そんな德田院長が用意してくれたのが、ケージ代わりにもなるカートです。愛犬のあんちゃんは入ってくれるのでしょうか。始めは警戒していましたが、すぐに狭い空間に慣れました。

■德田竜之介院長
「わんちゃんって、こういう狭いところだと落ち着くんです」

(しほママ)
徳田院長によりますと、このような空間に慣れさせることで、ペットの自立性を高めることにつながるということです。また、こんな質問もありました。

■德田竜之介院長
「一緒に寝てますか?」
■しほママ
「寝てます」
■徳田龍之介院長
「一緒に寝ると離れられなくなるから、寝る時は見える所で寝るより、別々の所で寝たほうがいい。たまにはペットホテルに預けたり、他の人に散歩してもらったり、誰でもできるようにした方がいい。社交的にした方がいい」

(しほママ)
多くの人が集まる避難所ですので、社交性を身につけることも重要だと分かりました。
ちなみに、私は人や犬に慣れさせるためにドックランによく連れて行っています。

ペット防災の『かきくけこ』

(しほまま)
德田院長が教えてくれたのが、ペット防災の『かきくけこ』です。

(永島アナ)
『か』は「飼い主のマナー・責任」。

(しほママ)
はぐれた時のために、日頃から迷子札をつけています。はずれることもあるのでマイクロチップを装着しています。

(永島アナ)
『き』は「キャリーバッグ」。『く』は「薬・ごはん」。

(しほママ)
避難時に必要なものをまとめています。持ち運びできるキャリーバッグ。車での移動の際には、愛犬の「あんちゃん」を入れています。狭い場所への慣れにもつながります。

食料や水、薬もすぐに持ち出せるように準備しておきましょう。そして、ウェットティッシュやペットシーツは人にも使えます。お気に入りのおもちゃもあるといいですね。

(永島アナ)
『け』は「健康管理」。
(しほママ)
ワクチン接種はもちろん、接種したものが分かるよう、まとめています。

(永島アナ)
『こ』は「行動・しつけ」。
(しほママ)
日頃からのしつけはもちろん、災害時、飼い主が落ち着いて行動することでペットの安心につながります。

(永島アナ)
それでは、しほママ、きょうの格言をお願いします。
(しほママ)
「人もペットも支え合える社会に」。ペットは人を笑顔にする力があります。動物だから、人間だからではなく、家族として災害時に共に生きていけるように、飼い主の備えと社会の理解が広がることを願います。

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