旧優生保護法「長かったけど良かった」国や原告団らが和解へ合意書に調印
旧優生保護法のもとで強制的に不妊手術を受けたとして全国で続く裁判について、国や原告団らが和解の基本事項が示された合意書に調印しました。
13日に行われた調印式には熊本の原告も加わる旧優生保護法をめぐる10件の裁判について、国と原告団、弁護団の3者が和解の内容を一括して決める合意書に調印しました。
この裁判は、旧優生保護法のもとで障害などを理由に強制的に不妊手術を受けさせられた人たちが全国で国に賠償を求めているものです。ことし7月、最高裁判所は「旧優生保護法は憲法違反」という判断を示し国に賠償責任を認める判決を言い渡しました。
13日に調印した合意書には、国からの謝罪が示されたうえで原告1人あたり1500万円、夫婦の場合は本人に1300万円配偶者に200万円の賠償金を支払うなどの内容が盛り込まれました。
熊本からは2人が裁判に加わっていて熊本市内では13日、原告の1人と支援者ら約20人が合意書締結の様子をオンラインで見守りました。
■原告の女性
「長かったですけどここまで来れて本当に良かったです」
熊本からも2人が現在も福岡高裁で裁判が続いていますが渡邊數美さんは今年2月、判決を待たずに亡くなっています。13日の調印により今後、継続中の訴訟も裁判の中で順次和解していくことになります。
今回の合意書について熊本訴訟の弁護団は「熊本地裁の判決で半減されていた原告の賠償額が和解案で全額が提示されよかった」とコメントしています。