無実訴えながらも死刑執行『再審への大きなカギ』菊池事件6月に証人尋問の採否決定
「菊池事件」は、殺人の罪に問われた男性がハンセン病を理由に隔離された「特別法廷」で死刑が言い渡され、無実を訴えながらも1962年に執行されたものです。2020年、熊本地裁は「ハンセン病を理由とした差別で法の下の平等に反する」と特別法廷を違憲と判断し、その後、確定しました。
男性の遺族は3年前、熊本地裁に裁判のやり直しを請求。去年7月か、裁判所と弁護団、検察による協議が行われています。弁護側は、訴訟手続きの憲法違反は再審の理由になりうるなどと主張し、検察側は再審の理由に当たらないとしています。
30日に行われた協議では、弁護側が申請している刑事法学者など3人の証人尋問を行うかどうかなどについて話し合われました。弁護団によりますと、この中で熊本地裁は、弁護側が申請している刑事法学者について、次回6月14日の協議で、証人尋問するかどうか決定を示すと回答したということです。
■弁護団 德田靖之弁護士
「検察庁はこの菊池事件について何を考えているのか。正義を守る自覚があるのかを問いたい」
弁護側は、刑事法学者の証人尋問によって再審の必要性を立証する方針で、裁判所がどのような決定を示すのか注目されます。