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告示前に投票呼びかける文書配る 公選法違反の罪に問われた熊本市議の控訴審

2024年1月16日 18:03
告示前に投票呼びかける文書配る 公選法違反の罪に問われた熊本市議の控訴審

公職選挙法違反の罪に問われている田尻善裕熊本市議の控訴審の初公判が16日、福岡高裁で控訴審の初公判が開かれ、田尻被告は改めて無罪を主張しました。

この裁判は、熊本市議会議員の田尻善裕被告(60)が、去年4月の熊本市議選の告示前に投票を呼びかけるリーフレットや名刺を有権者に配ったとして、公職選挙法違反の罪に問われているものです。

去年10月、1審の熊本地裁は「選挙の公正を害する悪質な犯行」として、罰金30万円の有罪判決を言い渡しました。田尻被告はこれを不服として控訴しました。

16日、福岡高裁で控訴審の初公判が開かれ、検察側は控訴を退けるよう求めました。一方の弁護側は、「公職選挙法における文書頒布違反は、憲法21条の表現の自由や国際人権規約の自由権規約に反している」と主張。田尻被告が違反性を認識していたとする1審判決は事実ではないとして、改めて無罪を求めました。さらに弁護側は同級生の証人尋問を求めましたが、福岡高裁がこれを却下し結審しました。判決は1月23日に言い渡されます。

裁判後、田尻被告はKKTの取材に対し、「私が正しいとする証言を聞いてほしかった。今は言葉にできない」とコメントしました。罰金刑が確定すれば、田尻被告は議員を失職し、公民権が5年間停止されるため、次の選挙に立候補できなくなります。