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【独自】井芹川の半分近い区間で国の指針超の有機フッ素化合物 KKTと京大調査 熊本市も調査開始

2023年11月9日 11:53
【独自】井芹川の半分近い区間で国の指針超の有機フッ素化合物 KKTと京大調査 熊本市も調査開始

熊本市を流れる井芹川の半分近くの区間で、体に有害な有機フッ素化合物の濃度が国の暫定指針を超えていることが、KKT熊本県民テレビと京都大学の調査で分かりました。熊本市は農業への影響が懸念されるとして9日から井芹川の調査を始め、流域農家への説明を行う予定です。

■緒方大樹記者
「JR植木駅に近い井芹川にかかる鐙田橋です。午前10時過ぎから熊本市水保全課の職員たちが川の水の調査を始めました。KKTと京都大学の調査では、この場所で最も高い濃度の有機フッ素化合物を検出しました」

KKTと京都大学は、井芹川の18の地点で水を採取・分析しました。その結果、川の中流から上流付近では、熊本市西区池田の天神大橋から北区植木町の鐙田橋まですべてで有機フッ素化合物の濃度が国が暫定的に定めた指針値の50ナノグラムを上回りました。

鐙田橋から天神大橋までは約6.4キロで、井芹川の総延長14.5キロの半分近くにあたります。上流ほど濃度が高く、最も濃度が高かったのは源流に近い鐙田橋の73.62ナノグラムでした。

井芹川の水を分析した京都大学大学院の原田浩二准教授は「発生源に近い場所では農作物への影響も考えられる。早急に発生源を突き止める必要がある」と話しています。

KKTの調査を受けて、熊本市は9日から井芹川の調査を始めました。

■熊本市環境推進部 永田努部長
「上流に排出源というか、何か原因となるものがあるのは間違いない。どれぐらいの農家が灌漑用水として使用しているか、今、市の農水局でも調べているが、かなりの農家が使っているのではないかと思っている。農業を営んでいる皆様への説明を農水局とも連携しながらしっかり取り組みたい」