「高裁で正しい判断を」水俣病熊本訴訟の原告が控訴 熊本地裁は訴え退ける判決
■熊本訴訟原告団長 森正直さん(4日の記者会見)
「今回の判決の根底には、長年にわたる水俣病の歴史と長年苦しみ続けてきた水俣病被害者に向き合おうとしない姿勢があると思います」
この裁判は、水俣病の被害を訴える熊本県や鹿児島県の1400人が国や県、原因企業のチッソに賠償を求めているものです。3月22日、熊本地裁でこのうち144人に対する判決が言い渡されました。品川英基裁判長は25人を水俣病と認めながらも、裁判を起こす時効にあたる「除斥期間」を理由に原告全員の訴えを退けました。
この判決を受け、裁判の長期化を理由に断念した鹿児島の1人をのぞく原告143人が、判決を不服として4日付で福岡高裁に控訴しました。
■園田昭人原告弁護団長
「判決対象者の原告は高齢化している。必ず熊本地裁の不当判決は覆すと、福岡高裁で覆す正しい判断をさせると強い決意を持っている」
平均年齢が75歳となる中で原告や弁護団は早急な解決を望んでいます。控訴を受けて、被告の国と熊本県、チッソはいずれも「コメントを差し控える」としています。