見た!感じた!富山県高校生海外派遣団報告
ここからは、今回で41回目となった県の高校生海外派遣団についてです。
同行した佐伯さんです。
佐伯翔太アナウンサー
この事業は、1982年に北日本放送が開局30周年を記念して県に寄贈した1億円を基金に翌年から始まったものです。
研修を通し多くの刺激を受けた高校生たちの姿を、28日と29日お伝えします。
今回参加したのは、県内の高校生20人。
この日、家族や先生方に見送られ富山空港を出発しました。
訪問先は、富山県の友好都市、アメリカ合衆国のオレゴン州です。
およそ420万人が住む、自然が豊かで地域で獲れる豊富な食材にも恵まれた土地です。
路面電車が走る最大都市のポートランドは、徒歩圏内で生活できるよう設計されたコンパクトシティとして知られ「全米で一番住みたい街」とも言われています。
今回の訪問では、1ドル150円前後の円安、さらには物価高に直面しました。
現地では、ハンバーガーとポテトのセットがおよそ3000円です。
社会システムや経済状況が異なる環境で、高校生たちはそれぞれ研究テーマをもって研修に臨みました。
富山高校2年 東江晴希さん
「日本とアメリカの働き方に対する考え方の違いについて、タイムイズマネーとかお互い対等な立場だったり上司部下みたいな関係について調べよう(と)」
富山東高校2年 高田麻衣さん
「衣服を通して学ぶ海外と日本の価値観の違い。衣服って結構海外と日本で表現の仕方が違うと思って」
教育局訪問先の一つオレゴン州政府教育局では、高校生の一人が障害者への教育などについて質問しました。
富山中部高校2年 窪田爽子さん
「私は障害者の方への教育に興味があります。オレゴン州では障害がある生徒への支援体制はどうなっていますか」
教育局長
「すべてのこどもたちが教育を受けられるように努めています。障害がある生徒も可能な限り学業や学校での活動に参加できるよう、包摂されるよう、地域や学校によびかけています」
窪田さん
「障害者に対する意識みたいなのを聞けて、それぞれで違う考えとか対策を聞けてためになりました」
こちらはポートランドに拠点を置く企業「keen」。
環境に配慮して製造した靴やサンダルを販売しています。
ここでは、日本とアメリカで働いた経験をもつ人に、価値観の違いについて聞きました。
富山東高校2年 高田麻衣さん
「私は今回の研修で日本と海外の衣服における価値観の違いを調べていて日本では衣服で自己表現できていないように感じる日本と海外で比べて違いを感じますか」
KEEN グローバル・ジェネラルマネージャー 竹田尚志さん
「アメリカは皆さんが思うより保守的です。着ている洋服を見ても黒、デニム、茶色が多くて。特に我々が今いるアメリカ北西部はそういうところがあって、アメリカ人をもっとおしゃれにするってのが僕らの仕事です」
アメリカでの働き方については。
竹田さん
「上司と部下の関係はあなたのいうことはなんでも聞きます、ではなくて一緒に仕事してる仲間。アメリカの会社は社長というのはある役割をしているだけ。仕事が違う。上下関係というふうには解釈してないです」
高田さん
「直接自分の研究テーマにつながったり、将来につながっていることが現地の方から聞けて、すごい貴重な経験」
富山高校2年 東江晴希さん
「働くことについて聞けてよかった。上司・部下って本当にないんだってのが学びですね」
一行は、博物館も訪ねました。
体験型展示が並ぶ巨大施設です。
ここでは、2人の高校生が高い関心を持っていました。
大門高校 2年 髙木麻央さん
「アメリカと日本の博物館の違いについて調べようと思っています」
高岡工芸高校 2年 山崎さくらさん
「美術とアメリカの人たちのつながりを知りたいと思ってます」
学芸員を目指す髙木さんと、アートセラピストを目指す山崎さん。
現地のガイドさんの力を借りて博物館の職員に質問を試みました。
髙木さん
「学芸員はどんな種類の仕事をしますか」
オレゴン科学産業博物館 ゾーイ・ラヴェル コーディネーター
「いろいろな場所に渡って、さまざまな展示企画を美術館や博物館で運営します。美術館や博物館が好きで展示を行うことに関心があるなら最初の一歩を踏み出すためにはボランティアとして参加することがいいと思います。ボランティアを募っている博物館がほとんどです。博物館での仕事は、職員も、来館するお客さんも、いつもわくわくできるものです。みんなが新しいやり方はないか常に考え続けているのが素敵です。科学が私たちを一つにしてくれます。立ち寄ってくれてありがとうございます。博物館での仕事は素晴らしいです。展示をたのしんでください」
髙木さん
「日本の学芸員は少ないけど、今の話を聞いてアメリカってボランティアとか多いし、それで学芸員の数も多いってこともわかりました」
山﨑さん
「美術との関係とか展示の方法とか、知れてよかったです」
見たもの聞いたこと全てから大きな刺激を受けた高校生たち。
更に楽しみにしているのが現地の高校生との交流です。
氷見高校 2年 岡野純奈さん
「自分はシェルドン高校の生徒と交流することを一番楽しみにしていました。自分とは違う世界を見てる人たちと交流できるのですごい楽しみです」
29日は現地の高校生たちとの交流や、ホームステイの様子をお伝えします。