183人が犠牲になった旧長生炭鉱 27年ぶりの潜水調査は天候不良のため延期
戦時中、水没事故で183人が犠牲となった宇部市の長生炭鉱。
海底には犠牲者の遺骨がいまも残されていて、その遺骨を収集することができるかを調べる潜水調査を現地で実施しようとしましたが、天候不良のため断念しました。
潜水に向けた準備は朝から始まりました。
旧長生炭鉱で潜水調査が行われるのは27年ぶり。
海底には坑内で働いていた183人の犠牲者の遺骨が残されています。
今回、水中洞窟などで調査を行う伊左治佳孝さんが遺骨収集を目指す市民団体に申し出て調査が実現しました。
(伊佐治佳孝さん)「悲しい事故を悲しいままにしないように。ちょっとでも和らぐようなことのお手伝いを僕ができたらなと思って。」
その様子を市民団体のメンバーも見守りました。
海から突き出た炭鉱の排気口「ピーヤ」から潜水しようと船を固定するためのロープをかける作業が行われましたが、強風で波が高く、作業は進みません。
「船がもたん」
安全に潜水を行うことは不可能と判断し、25日の調査は中止されました。
(伊左治佳孝さん)「透明度が1.5mくらいなんで。作業としては中には入れてしまえばできるのかなと。どうやったらできるというのを大体分かったので、波が高くない日であれば問題なく作業できるのかなと。」
(市民団体 井上洋子共同代表)「あの中に入って遺骨に近づけるのは間違いないことなので、再挑戦を試みたいなというふうに思います。」
市民団体では炭鉱の入り口「坑口」も開けようと取り組みを行っていて、現在、活動費用をクラウドファンディングで集めています。