長生炭鉱の坑口を開ける工事の実施へ 市民団体が宇部市へ工事を通告
82年前、事故で水没した宇部市の海底炭鉱について、遺骨発掘調査を実現しようと活動する市民団体が炭鉱入口付近の掘削工事を行うと市に通告しました。
16日は市民団体が宇部市役所を訪れ、旧長生炭鉱に関する宇部市長あての工事通告を担当者に手渡しました。
82年前の事故で水没した旧長生炭鉱。坑内で働いていた183人の犠牲者のうち、7割以上が朝鮮半島出身の労働者で、その遺骨は海底に残されたままです。
遺骨発掘調査の実現に向けて市民団体は地中にある炭鉱の入り口=坑口を開ける工事を計画。
市民団体では、対象の土地は所有者の確定が困難なため法律上、宇部市の所有と考えられるとし工事に異議があれば文書で知らせるよう市に求めました。
(長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表)
「(土地の所有が)曖昧なままでも遺族の高齢化を考えた場合に一日でも早く坑口を開けて遺骨を外に出したいということがあるのでやむなくこういう行動をとらざるを得なかったと」
宇部市は対象の土地に市は関与していない認識で、通告への対応を今後協議することにしています。