地震の爪痕残る中…石崎奉燈祭 規模縮小し開催へ「町を元気にするために…」
毎年8月に七尾市石崎町で開催される「石崎奉燈祭」。
町には地震の爪痕が色濃く残るなか、規模を縮小してことしも祭りをすることを決めました。
開催に向けた地域の思いとは。
七尾湾に面した漁師町、七尾市石崎町。
年に一度、町中が熱気に包まれます。
それが。
この地区で130年以上続く伝統の祭りで、毎年8月に開催される「石崎奉燈祭」。
町内6地区から1基ずつ出される高さ12メートルあまりの巨大なキリコを、100人以上が担いで乱舞する光景は、古くから町の象徴として受け継がれています。
しかし。
土倉委員長:
「ここも元旦からこんな感じなので、住める状態ではないので」
石崎町では、元日の地震で住宅およそ300棟が半壊以上の被害を受け、そのうち34棟が全壊となりました。
これまでキリコが巡行していた道にも多くの地割れが発生。
祭りの実行委員会では、安全面などから中止の意見もありましたが、最終的に実施することを決めました。
一方、ある懸念も。
土倉委員長:
「町民感情を考えるとやっぱり、祭りどころじゃないっていう方もいると思うので」
実際、住民に話を聞いてみると。
住民:
「(家が)傷んでるのは事実やさかい、賛否両論やけど、やらん方がよかったと思っとったけど」
委員長:
「ちょっこし理解してもろて」
住民:
「決まったことはしょうがない」
委員長:
「一応、町民の方、元気付けられたらいいかなと思ってるので」
住民:
「自分の心としてはもう1年我慢すればなと思っとるわ。正直な話はな。」
住民の感情や安全面などを考慮し、ことしは町内を練り歩くのではなく、海岸近くの駐車場にキリコが集結する予定です。
委員長:
「おそらく135年の歴史がある中で、ここでやったことはないと思うんですけど、やっぱり何とかして、祭りの継承が大事かなと」
特に被害の大きかった1地区は参加を見送りましたが、5基のキリコが勇壮に乱舞します。
委員長:
「これがあって石崎やって思ってもらえるような奉燈祭、これが大事かなと思います。祭りが終わって、やって良かったって町民にとっても思ってもらえるような祭りができればなと思ってます」
石崎奉燈祭は8月3日に開催されます。