950ヘクタールの農地が冠水…泥に覆われた稲 豪雨が能登の農業に残した爪痕
今回の豪雨では、農作物にも被害が出ました。田んぼが冠水した農家では稲が泥に覆われ、新米の出荷に影響が出ています。
輪島市町野町では、秋になると田んぼが黄色く色づきますが、そのすぐ隣には、なぎ倒された稲穂が…
のと栄能ファーム代表・山下祐介さん:
「これは刈れるかというと、、、刈れない」
近くの川が氾濫し、収穫まであとわずかだった田んぼが冠水してしまいました。水には強い稲ですが…
のと栄能ファーム代表・山下祐介さん:
「泥水に浸かっているので、泥の下敷きも結構ある。これを刈りましょうっていっても泥がついている。収穫してもお米として出荷販売は難しい」
この農家では、1月の地震で田んぼに土砂が流入。
元々10ヘクタールの広さで栽培していましたが、今年田植えができたのは、2ヘクタールに激減。そんな最中での豪雨でした。
のと栄能ファーム代表・山下祐介さん:
「(地震で)心が半分折れかけていた中でなんとかもう1回やろうとしていたが、またこれだけの被害で、もう厳しいと思っている人も大勢いる」
一方こちらは、珠洲市の農業法人。倉庫の泥をかき出していたのは農業ボランティアです。県の募集で27日は4人が駆け付けました。
農業ボランティア:
「豪雨被害のとき全国から大勢の人に来てもらい助けてもらったので、その恩返し。雨の後、泥が固まってしまうので、やわらかいうちにきた」
田んぼに案内してもらうと、ちょうど稲の収穫が行われていましたが…
「刈り取りできそうなところを選んで、作業を進めている。被害がどれぐらいか会社としてもすべてを把握できていない」
今回の豪雨では輪島市や珠洲市などでおよそ950ヘクタールの農地が冠水していて、県は被害の全容を調べています。