旅立つ自分に贈りたい花は?大学生が営む花店が15日に閉店へ
色とりどりの花。鹿児島市にある、大学生が営む花店です。約2年前にオープンし地域の人たちにも親しまれていましたが、就職に伴い、3日後に閉店します。旅立ちの春、自分に贈りたい花を聞きました。
鹿児島大学農学部の4年生衛藤潤弥さん。鹿児島市唐湊の「お花のあるくらし」を営んでいます。大学1年生の時に始めた花店でのアルバイトがきっかけで花に興味を持ち、おととし6月に店をオープン。大学生のうちに店を始めた、ある理由がありました。作業中に落ちた花など、売り物にできず廃棄される「ロスフラワー」の問題です。
(お花のあるくらし・衛藤潤弥店主)
「花も生き物なので、かわいいなというのもある。それを捨てるというのはもったいないなという部分もあって」
店ではロスフラワーで作ったハーバリウムなどが販売されています。さらに、若者の花離れを食い止めたいと子どもたちに花に親しんでもらう「花育」にも取り組んできました。
(客と衛藤店主)
「この時期だとやっぱりスイートピーなので」
「青系で、この間の感じで」
「こんな感じの青色?」
オープンして約2年、常連さんもできました。
(常連の大学生)
「起業セミナーでお会いしてそこから知るようになった。同じ大学生で、ここに来ると自分も頑張ろうって気持ちになる」
店のために休学した時期もありましたが、この1年は、学業との両立を続けてきました。
(お花のあるくらし・衛藤潤弥店主)
「大変でしたね。卒論もあったので、平日は、なかなかこの花店で作業できなかったりして土日のみここで営業をしていたが、なかなか時間が作れず難しい部分があった」
衛藤さんにしか経験できない大学生活もこの春まで。卒業を機に、閉店することを決めました。
(お花のあるくらし・衛藤潤弥店主)
「続けたいという思いはあるが、自分のステップアップのためにまずは就職だと思っている」
(常連の大学生)
「大学生だからそっかーと思うけど寂しくなる。応援したいと思います」
衛藤さんの花店は、近所の人にとってほっとする場所になっていました。
(常連客)
「しょっちゅう買ってるよ。ちょっと常連ね。なかなか来られないときもあるけど。いい方だからこの方が。いい方だから、1つでも買ってあげたいなと。でも本当誠実で、学校の勉強しながらこうしてお店出すというのも、すごくえらいことだし、経営者ですよね。素晴らしいと思う」
Q閉店することはどう思う
「閉店、悲しい、さみしいね。やっぱりここにお花があるというのがすごくほっとする。疲れて買い物して帰ったりとか、うれしいですよお花」
花を通じて多くの人たちに支えられてきました。
(お花のあるくらし・衛藤潤弥店主)
「地域の方々との出会いが印象に残っている。地元が熊本で鹿児島には身内とか全くいない状況でここを始めて、そんな中でも地域のおじいちゃんおばあちゃんだったりとかが差し入れをもってきてくれたり、すごくあたたかい。そこはすごく嬉しかったし社会勉強のひとつになった」
卒業後は、地元の熊本に戻り、花市場に就職します。旅立ちの春。自分に贈りたい花を聞いてみました。
(お花のあるくらし・衛藤潤弥店主)
「一番はスイートピーを自分に贈りたい。スイートピーの花言葉が門出という。やっぱり自分も新たな門出なので」
「お花のあるくらし」は、3月15日まで営業しています。