宮城・石巻市の住民グループが『女川原発2号機』の再稼働差し止めを求めていた裁判で、仙台高裁は一審と同じく、原告側の訴えを退けた。

27日午後、仙台高裁は『女川原発2号機』の再稼働差し止めを求ていた住民側の訴えを退ける判断を、示した。

この裁判は、石巻市の住民グループが『女川原発2号機』の重大事故を想定した避難計画に実効性がないとして、東北電力に対して再稼働の差し止めを求めているもの。

去年、一審の仙台地裁が「住民側は事故発生の具体的な危険を立証していない」などとして、避難計画について判断を示さず訴えを退けたことに対し、原告側の住民グループは「具体的な危険の立証を住民側に求めることは、避難計画が作られる前提となっている重大事故が起きること自体を否定することになる」などとして控訴。

東北電力側は「原告は、原発において放射性物質を異常に発生することについて、一審と同様に主張・立証していない」などとして、改めて訴えを退けるよう求めていた。

そして、27日。
仙台高裁の倉澤守春裁判長は「原発の運転差し止めを命じることができるような具体的な危険について立証があったとは言えない」などとして、一審と同様に原告側の訴えを退けた。

裁判所前での抗議）不当判決を許さないぞー

仙台高裁の判断について、原告側の住民グループはー。

原伸雄　原告団長
「全く残念の極みでした。やるべきことはやった。勝訴できるのではという思いが強かった。悪い方に転んで残念」

原告側の小野寺弁護士
「（避難計画の）中身に入った点は評価できる。避難計画の判断基準、証拠を無視したという点では残念な結果」

一方、東北電力は「今回の判決は、裁判所に当社の主張をご理解いただいた結果であると受け止めている。引き続き、避難計画の実効性向上に向け、事業者としてできる限りの協力をしてまいります」と、している。