トランプ就任で宮城への影響は?関税引き上げで向かい風“伝統的酒造り”の酒蔵は「逆に力の入れどころかな」
日本時間の21日未明、アメリカの第47代大統領に就任するトランプ氏。
「アメリカ第一主義」を掲げ、初日から様々な政策を進める見通しの中、宮城県内の経済への影響について専門家はどう見ているのだろうか。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト
「一番先に考えられるのは為替、円安が進むといった影響。国内のインフレを高め、利下げを遅らせることによって日米金利差が縮小しないことにより、円安が進む可能性がある」
まず指摘するのは「円安」。
「円安」が進めば、日本からの輸出やインバウンド需要の追い風となる一方で、石油関連のほか、原材料を輸入する牛たんやカマボコの仕入れ値が上がる可能性がある。
そして、引き上げが見込まれる「関税」については…
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト
「実はアメリカは宮城県にとって最大の貿易国相手国であり、そういう相手国の関税が引きあがることによって輸出の数量の減少であったり、それに伴う県内の生産が下押しされるリスクが考えられる」
県内からの輸出先として最も多いのはアメリカで、関税による影響は小さくない。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト
「日本は去年「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されて、海外にもどんどん進出していこうという機運が高まっているなかで、アメリカも非常に大きなマーケットでそこに輸出をはかろうとした矢先に関税が引き上げられるというのが、向かい風になる可能性がある」
こちらは宮城県川崎町に蔵を構える新澤醸造店。
白壁里沙子 アナウンサー
「ほのかに甘く爽快感のある香りが漂う蔵の中です。日本酒は今が仕込みの最盛期ですが、この日本酒にもトランプ大統領就任の影響は及びそうです」
20年ほど前から海外に輸出しているこちらの酒蔵。
新澤社長は関税が上がれば、今後、流通が鈍くなることを見込むとともに、すでに現地の仲介業者の対応に変化を感じていた。
新澤醸造店 新澤社長
「若干ですが、これからどのお酒を売っていこうかという考えが、現地の取引する方は厳しくなっているなという印象はあります」
関税が上がれば現地での単価も上がるため、消費者の目も厳しくなる。
新澤社長は価格競争ではなく、選ばれる日本酒となるために高い品質へと磨いていくことが大切と考えている。
新澤醸造店 新澤社長
「和食がどんどん世界に広まっているということと、先月ユネスコの無形文化遺産に認定していただいて、これからこれからという出先だったので、世の中の変化の激しさを感じている。きちんと残り選ばれるというところを堂々とできるような。胸を張った品質を作らなければいけないというところで逆に力の入れどころかなと思っています」