東北大学・ナノテラス本格運用から1か月 住友ゴムが実験成果発表「利用開始初日から世界最高レベルの研究成果」
東北大学の青葉山キャンパスにある「巨大な顕微鏡」ともいわれる次世代放射光施設ナノテラスが本格運用を開始してから1か月あまり。
これを活用した住友ゴム工業が16日、実験の成果を発表した。
16日午後、住友ゴム工業が説明会を開き実験の成果を発表した。
ナノテラスは放射光と呼ばれる非常に明るい光を使って肉眼では見分けられない物質の構造を100万分の1ミリのナノレベルで分析する。
住友ゴムは、新しい性能のタイや、次世代電池として期待されるリチウム硫黄電池の研究に取り組んでいる。
実験では、これまで見ることのできなかったゴムやリチウム硫黄電池の量子の中まで確認できたという。
住友ゴム工業 先進技術 イノベーション研究センター岸本 浩通 センター長
「活物質の従来の3倍以上の解像度で詳細に観察することに成功しました。利用開始初日から世界最高レベルの研究成果を出すことができました」
今回の実験結果をもとに、劣化しにくいタイヤや、繰り返し利用ができるリチウム硫黄電池などの製品開発につなげたい考えだ。
住友ゴム工業先進技術 イノベーション研究センター岸本 浩通 センター長
「例えばタイヤは使っていくうちに性能が変化していく古いタイヤはひび割れたりする。その原因はなぜ起こるのか走行している間にどのような変化が起こっている のかが分かってくる。タイヤの性能を向上させていきたい」
住友ゴムはナノテラスを活用した研究をさらに進めるため本社に次いで全国2か所目となる新たな研究拠点を16日、青葉区に開設した。