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最適と示されたのは前方針同様「旧市庁舎跡地」 新文化芸術ホール今年度中に建設地決定《長崎市》 

2024年2月16日 6:15
最適と示されたのは前方針同様「旧市庁舎跡地」 新文化芸術ホール今年度中に建設地決定《長崎市》 

長崎市の新しい文化芸術ホールの整備について議論する審議会が開かれ、候補地は「旧市庁舎跡地」が最適とする案が示されました。

半年余りの「再検討」で出された結論は、2020年に示された方針と同じ結果に。

委員からは一刻も早い建設を望む声が相次ぎました。

長崎市の新しい文化芸術ホールの建設を巡っては、2020年に旧市庁舎跡地にする方針が示されていましたが、去年7月、鈴木市長が跡地以外の候補地を含めて再検討する考えを表明していました。

審議会は、大学教授のほか演劇や舞踊の協会などの25人の委員で構成され、去年10月から議論。

候補地の案に、旧市庁舎跡地と県営常盤駐車場、県営常盤南駐車場、中部下水処理場の4か所を挙げ、「アクセス性」や「都心部活性化」への貢献度を分析した上で、判断するとしていました。

15日は市側から分析結果が示され、旧市庁舎跡地は浜町など “まちなか” との距離が1キロ未満ですが、そのほかは1キロ以上離れていると説明。

また県営の駐車場は用地買収が必要ですが、「旧市庁舎跡地」と「中部下水処理場」は市所有のため、用地買収が不要だとしました。

また、県営駐車場と中部下水処理場は埋立地のため、地盤調査などが必要だということです。

そのため、新しい文化芸術ホールの建設は、「旧市庁舎跡地」が最適であるとしました。

これに対し委員からは・・・。

(長崎民謡舞踊連盟 石橋 大作 理事)
「市庁舎跡地が一番最適なのかは誰が見ても明らか。結果として、最初に予定通り時間がかかっただけであった」

新市庁舎建設のため廃止された公会堂にかわる施設として、建設が検討されている新しい文化芸術ホール。

田上前市長時代の2020年に、桜町の旧市庁舎跡地に建設する方針が示され、去年4月には有識者や関係者による審議会が、約1000席程度のホールを整備することなどをまとめた「基本計画」を発表。

しかし、去年7月に鈴木市長が再検討の考えを表明し、去年10月から審議会で議論してきましたが、同じ結論となりました。

公会堂がなくなった後、文化団体は、主に魚の町の市民会館を代替施設として利用してきましたが、ホール機能は耐用年数である2038年より前に、廃止する方針が示されています。

(長崎市民劇場 出原 順子 代表幹事)
「市民会館の耐用年数ぎりぎりまで使うということで、話がどんどん伸びていくのではないか。とにかく一刻も早い着工を要望したい」

(永留 敦朗 公募委員)
「お金に規制されてこの程度のものしかできなかったというのは、やめてもらいたい。50年間使って、我々が誇りに思える施設をつくってもらいたい」

長崎市は、再検討によって「ホールの建設がまちづくりの創出に大きな意味を持つことが示された」と強調しています。

(長崎市文化振興課 浦川 信一 課長)「(再検討が)1年かかったということについても、反省するところは反省して今後に生かしていきたい。ホールという機能がまちづくりそのものにも大きな意味を持っていることが証明されたと思っているので、長崎にとっていいものができたと言われるような整備を考えたい」

審議会で出た結論は鈴木市長に早急に報告され、今年度中に“建設地”が決定されます。