「タキビスト」“揺らめく炎”と“薪が燃える音” 火を囲む癒しの魅力を広める夫婦《長崎》
キャンプブームに伴って注目されている “たき火”。
その魅力を伝える “タキビスト” が活動しています。
揺らめく炎と、まきがゆっくりと燃える音。
癒しの空間を演出します。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「不規則に発せられる音が、聴いていて心地がいい。炎もずっと一緒の形をしていないので、音と炎の見た目、香り、そういった要素が、ずっと見ていられるところ」
田中 亮太さん40歳。
身に着けているTシャツやエプロンには、たき火のプリント。
たき火を愛する人= “タキビスト” として活動しています。
普段は、妻の桃子さんと東彼杵町でカフェを経営しています。
2024年4月にオープン。
自家製の塩こうじ、甘酒など発酵調味料を使った料理、スイーツやオーガニックの豆をまきで焙煎したこだわりのコーヒーが楽しめます。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「火力も上げれたりするので、しっかり焙煎できるし香りが抜群にいい」
そして、カフェの外には…
(タキビスト 田中 亮太さん)
「こちらがファイヤーピッド。いわゆる “たき火” をする場所」
手作りのたき火台を常設しています。
日中は火おこし体験ができるほか、夜は予約制で、県産食材をたき火で調理した料理を楽しめます。
(客)
「国道の裏に隠れ家的な場所があるとは思わなかった」
(客)
「みんながたき火を見つめて語り合う時間が癒しになるのでは」
(客)
「火を見ているだけで心が開かれていく感じがする。しゃべらなくてもいい」
大学卒業後、国立大学法人の職員として働いていた田中さん。
週末の休みを利用して「たき火を楽しめるイベント」を企画し、魅力を発信してきました。
40歳を機に “新しいことに挑戦したい” と今年3月に退職し、時津町から東彼杵町に移住しました。
(妻 桃子さん)
「たき火やコーヒーのことになると、すごいお客さまとも(話が)止まらないくらいしゃべる。本当に好きなんだろうと思って。
チャレンジするのが、(夫)らしい。おもしろい」
町内には、まきの販売所があります。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「どんだけたき火ができるのかと、わくわくする。大概燃やしても、全然なくならない」
まきを仕入れるために、隣町の川棚町に出向くこともあるそうです。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「産地にこだわって、まきを焚くのもおもしろいかなと。近くに良いまき屋さんがあるというのは、タキビストとしては心強い」
(タキビスト 田中 亮太さん)
「こんな感じで、たき火の道具が入っている。これが火ばさみになったり、火吹き棒になったりする。まき割に使う鉈とか、火花を散らして火を付けたり(する道具)」
たき火の魅力に触れたのは子どものころ、家族や友人と行ったキャンプでした。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「小枝を拾ってきて燃やして、わいわい言いながら楽しんだような思い出が残っている」
油分を多く含む “針葉樹” と、ゆっくりと燃える “広葉樹”。
2種類の木材を使います。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「広葉樹。ちょっとずっしり重たい感じのやつ。これに最初に火を着けようと思っても、なかなか着かないので、じわじわ燃やす用のやつとして一つか二つか、あらかじめ置いておく。あとは燃えやすい軽い針葉樹の木。ヒノキとかスギとか。先に火を着けて、これが燃えている間に徐々に広葉樹のまきに火を移していって、長くたき火を楽しむ感じでいつもやっている」
(タキビスト 田中 亮太さん)
「細かい割ったまきはすぐに燃え尽きてしまうので、勢いよく燃えてる間に少し太めのまきをくべて、徐々に火を育てていくような感じ」
魅力を多くの人に知ってもらうため、普及活動にも取り組んでいます。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「風も比較的あまり吹いていないので、絶好のたき火日和」
この日開いたのは、親子参加型のイベント。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「なるべく開いている感じの、乾燥したやつを拾ってください」
木の枝や松ぼっくりなど自然の着火剤を探したり、火おこしなどを体験しました。
(長崎市から参加)
「火をつけたところが楽しかった」
(長崎市から参加)
「初めて。機会があればこういうイベントに参加したい」
イベントを楽しむ中で、子どもたちに火の取り扱い方を教えています。
これからがたき火のベストシーズン。
(タキビスト 田中 亮太さん)
「たき火が一過性のブームではなくて文化になっていけばいい。“たき火愛” が多くの人に広がって、タキビストがいっぱい生まれていけばいい」
寒さが厳しくなる季節、揺らめく炎で体と心を温めませんか。
たき火は、今回紹介したカフェのほかに、火気の使用を前提としているキャンプ場やバーベキュー場で楽しむことができます。
土地の所有者の承諾がとれない場所や、周囲に住宅がある場所などでは「たき火はできない」ので、確認するようにしてください。
【NIB news every. 2024年12月3日放送より】