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長崎くんち【万才町・本踊 祭祝萬歳町】男子初参加の本踊は演目一新 “まち全体” 奉納を演出《長崎》

2024年9月10日 6:45
長崎くんち【万才町・本踊  祭祝萬歳町】男子初参加の本踊は演目一新 “まち全体” 奉納を演出《長崎》

“まち全体” で奉納を盛り上げる万才町。

今回は本踊の演目を一新。初めて “男の子” も加わり、アクロバティックな演技にも挑戦します。

また 10年前の舞台では、子ども踊の一員として出演した少女が、中学生の踊子として大人とともに華麗な舞いに臨む姿に密着しました。

美しい所作で観客を魅了する万才町の本踊“祭祝萬歳町”。

子ども、大人、役員、“町の人全員” で10年ぶりの奉納を盛り上げます。

本格的な稽古は、2か月ほど前から始まりました。

(花柳 寿々初 師匠)
「曲が入っていない。曲の中途半端なところで首を振っている」

指導・演出は、1985年から花柳 寿々初 師匠が担当しています。

今年 出演するのは、花柳流の門下生3人を含む5人の踊子たち。

(花柳 寿々初 師匠)
「傘をさすやらささぬやら。傘をさすというのはどういうこと。雨が降る前?雨が降るか?降らないか」

稽古は、歌詞の意味やその情景を理解することから始まりました。

(花柳 寿々初 師匠)
「(身体を)すぼめない、美希ちゃん。このまま身体だけで。」

身体の動きの指導を受けているのは、町内出身の踊子 綾部 美希さん 13歳。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「新しいところだったり。歌詞を覚えていなかったりするところを頑張りたい」

今回の踊子の中で最年少、中学1年生です。

出演のきっかけは…。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「10年前に出て、楽しかったから出ようと思った」

前回の2014年に、子ども踊で出演。

3歳の初舞台でした。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「楽しかったことと、先輩たちが優しく接してくれたことを覚えている。大人のチームになって難しいけど、楽しくできているので嬉しい」

一方、今年の子ども踊には…。

(稽古に集まる子ども)
「よろしくお願いします」

初めて、“男の子” が加わりました。

出演する4歳から10歳までの10人のうち、8人が男の子です。

(柳 直希くん(4))
「きょうも頑張るぞ」

最年少、栁 直希くんは4歳。

2つ上の姉のみづきさんと一緒に踊ります。

(柳 直希くん(4))
「楽しかった」

(姉 みづきさん(6))
「二人で一緒にやるのが楽しい」

そんな2人をやさしく見守る母 まりこさん。

(母 まりこさん)
「毎回練習ですらうるっとくる。踊子さんたちの一生懸命踊られている所を見て、気持ちがわかる」

というのも、まりこさんは10年前に、万才町の踊子として出演。

その姿を 子どもたちは映像で見ていたといいます。

休みの日の柳家。

(母 まりこさん)
「みづきちゃん、はしり方とてもいい」

家にいてもくんちの稽古は欠かしません。

稽古の動画を見たり…。

(母 まりこさん)
「もう少しピシッと」

振りや位置を確認するなど、しっかり親子で稽古に励みます。

(母 まりこさん)
「楽しい、嬉しいという気持ちに最後になってくれればうれしい」

この日は、諏訪の踊り馬場での初めての稽古。

草履は脱げないよう、ひもで固定しました。

今回、万才町の本踊は、演目を一新。10年ぶりの奉納を盛り上げるため、新たなことに挑戦します。

(演目のナレーション)
「私達の町は、長崎開港の頃、嶋原町他、六町で始まりました」

まちの歴史や繁栄を表現しています。

子ども踊の栁さん兄弟は、慣れない石畳に苦戦していました。

(みづきさん)
「いろんなところがデコボコしてやりにくかったけど、次は頑張れるようになりたい」

(直希くん)
「難しかったけど、頑張ってやった」

一方、大人の踊子として出演する 中学生の綾部さんは…。

扇子落としたり、タイミングがずれたりと、緊張気味。

(花柳 寿々初 師匠)
「真ん中がどこかわからないなら、早く座らなくてもいいから」

踊子にとって、中心で踊る際の “位置” を把握することは、とても大切になります。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「(屋内では)イスを目印にしてやっていたので、諏訪神社に来たらちゃんと覚えないといけないと思った」

そしてもう一つの課題は、踊りながら見せる表情。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「情景が先生から見えないと言われた。笑顔や表情をつくりたい」

海星中学校に通っている綾部さん。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「こっちを踊るの。ここ」

(友人たち)
「観に行こうね」

友だちの応援が後押しになっています。

表情の練習は、気付いた時にその都度行うことを決めました。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「笑ってはいけないと言われたので口を閉じている。表情にも注目してみてほしい」

8月22日、八坂神社での稽古です。初めての場所踏みから1か月が経ちました。

(柳さん姉弟)
「長崎の七不思議~」

子ども踊の柳さん姉弟は、草履と石畳の感覚にも慣れたようです。

(柳 直希くん(4))
「(本番が)楽しみ」

(姉 みづきさん(6))
「少し恥ずかしいけど、みんなで踊れば大丈夫。本番でも頑張りたい」

扇子の扱いに戸惑っていた綾部さんは、ほかの踊子とタイミングが合うように上達していました。

(万才町出身の踊子 綾部 美希さん)
「段々、膝をおって練習できるようになって、そこが成長した。たくさんの人が支えてくれているので、感謝しながら踊りたい」

本番まで 1か月あまり。10年の思いを胸に…

万才町は大人も子どもも役員も“全員”で!踊り馬場を盛り上げます。

演目を一新した万才町ですが、今回 男の子が初めて加わった子ども踊では、アクロバティックな演技にも挑戦するということです。