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「あなたに響く一冊を」かまぼこ店が本の提案 まちを本で盛り上げる “かまぼコーチ” とは?《長崎》

2025年1月22日 6:45
「あなたに響く一冊を」かまぼこ店が本の提案 まちを本で盛り上げる “かまぼコーチ” とは?《長崎》

長崎市の老舗かまぼこ店が始めた新しいサービス。

去年、長崎くんちに出演し、まちを沸かせた男性が “ソムリエ” として提案するのは、練りに練った一冊です。

子向けの本のイベントを行うなど、徐々に活躍の場を広げています。

長崎市麹屋町に1955年から店を構える老舗かまぼこ店「井手蒲鉾店」。

毎朝3時半ごろから、できたての練り物が販売されています。

店頭のメニュー表には「ねぎ天」「えそから」などに並んで、“本” の文字。

(井手良平さん)
「“本のソムリエ”も やってます」

12年前から家業のこの店で働いている井手 良平さん 40歳。

去年10月、メニューに “本の札” を追加。

その人、その人に合った本の提案を始めました。

始めたきっかけは「長崎くんち」。

(井手良平さん)
「くんちに出て地域を盛り上げる熱量はすごくあったし、地元のこのまちの景色を、より明るく気持ちの部分でも盛り上げる形でできたらと思った」

井手さんは去年の長崎くんちに根曳として出演。

3回目の出演となる経験を活かし、まちのメンバーを引っ張っていました。

稽古の場でも…

(井手良平さん)
「きょうは決まったね。気持ち入っていたね。めっちゃよかった」

大成功に終わった長崎くんち。

さらにまちを盛り上げたいと、新たに始めたサービスが “本の提案” でした。

大学生の頃から本を読み始め、今でも毎日2時間は読書の時間に充てているという井手さん。

店頭に並べているのは、提案する本と手書きのメッセージ。

(井手良平さん)
「時期的に受験の時期。お母さんと女の子が店に来た。
中学受験をする女の子で “はるのちゃん” という子だったので、これを読んで、私にちなんでやってくれているのかなと思ってもらえたらうれしい」

店に来てくれた人との会話をもとに “練りに練った一冊” を紹介しています。

(井手良平さん)
「僕は本を紹介するのが好きな人。本と出会って人生変わったので、出会わないよりは出会った方がいいと、つなげられる感じでしたい」

さらに多くの人が気軽に本に触れる機会を作りたいと、先月から始めたのが整骨院の本棚に置く本の提案です。

(井手良平さん)
「僕が好きな本がたくさん置いてある。読んで心が元気になる、“整う本” というテーマでセレクトした」

さらにスタッフや通院客、一般の人向けに定期的にイベントも開いています。

(Wing 長崎鍼灸整骨院 平山 武沙史 院長)
「出会いが変わるというので、どんな本を紹介したらいいですか」

(井手良平さん)
「今、話聞いて頭に出てきたのが20年くらい前の本。中村天風という方が講演録で残された本。心を整えると体は良くなることを学んで、不治の病を治した。
もし患者さんとの出会いがあったときに、この本いいですよと紹介してもらえたらいいかなと」

スタッフの要望を聞きながら、それぞれに合った本を紹介しています。

(整骨院スタッフ)
「本をあまり読まない人生だったけど、井手さんと出会って、本を読みたいと思った。ネガティブなことがあっても、考え方ひとつで人生が変わるという本(を紹介してもらった)。読んで変わったなと思います」

(Wing 長崎鍼灸整骨院 平山 武沙史 院長)
「患者さんの反応も結構変わって、一つのコミュニケーションツールにはなるし、これ誰が持ってきたの?誰が選んだの?という話になって、話が進んでいるのを実感している」

長崎くんちに、自慢の練り物。

そしておすすめの本で、大好きなまちを盛り上げます。

(井手良平さん)
「あのかまぼこ屋、なんか知らないけど海外からすごく(人が)来るとか。ちょっとした観光スポット。僕自身が観光スポットみたいな感じになったら面白いかなと思う」

最終更新日:2025年1月22日 11:45