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医療機関5割で入手困難「抗インフルエンザ薬」安定供給を 県の患者数4週連続 “警戒レベル”《長崎》

2025年1月21日 19:35
医療機関5割で入手困難「抗インフルエンザ薬」安定供給を 県の患者数4週連続 “警戒レベル”《長崎》

全国で猛威が続くインフルエンザ。
県内の薬局や医療機関では、治療薬の在庫切れが懸念されています。

約5割で医薬品の入手が困難とするアンケート結果も出ていて、県保険医協会は、国や県が備蓄す医薬品の積極的な活用を訴えたいとしています。

(長崎駅前薬局 出口 健一朗 管理薬剤師)
「インフルエンザの薬が “オセロタミビル” とか “ゾフルーザ”。
例年だとシーズン中10箱は在庫を置いているが、今1、2箱しか入荷できていない」

約1000品目の薬を扱う長崎市尾上町の「長崎駅前薬局」。

抗インフルエンザ薬は、3種類をそろえます。

流行するシーズンは通常、患者5人から10人分の在庫を確保していますが、今は2人から3人分のみに。

業者に発注しても到着が1週間ほど遅れたり、発注した数のすべてが届かない状況が続いているということです。

不足しているのは、抗インフルエンザ薬だけでなく…。

(長崎駅前薬局 出口 健一朗 管理薬剤師)
「一番不足しているのが、“カルボシステイン” というたんをきる薬。あとはせき止めとか一部の抗生剤も不足してきている」

せき止めなどの一般的な風邪薬も、全国で慢性的に不足しています。

こうした状況を受け、県保険医協会は今月、県内の診療所や病院を対象に医薬品の入手に関するアンケートを実施しました。

120の医療機関のうち、半数を超える54%が「インフルエンザ薬が入手困難な状況にある」と回答。

インフルエンザのほかにも「入手困難な薬がある」と答えた医療機関は、9割にのぼりました。

特にせき止めの薬は9割、抗生剤や去たん剤は5割が入手困難としています。

(県保険医協会 本田孝也 会長)
「節約、節約、しながら使っているが、それはうちだけではない。もう1年以上前から慢性的にせき止めや熱冷まし、去たん剤などが入ってこない」

県保険医協会は先週、県に対しインフルエンザ薬の安定供給を求める緊急要請を行いましたが、今回の結果を踏まえ、国や県が備蓄している医薬品の積極的な活用を訴えたいとしています。

(県保険医協会 本田孝也 会長)
「これからインフルエンザBの感染が始まる。2つぐらい波が来ることがあるので、まだまだ油断は全然できない。決して、なめてはいけない」

4週連続で「警報レベル」となっている県内のインフルエンザ患者数。

「長崎駅前薬局」では今週に入り訪れる患者は、徐々に落ち着いてきたものの今後、型が異なるインフルエンザの流行も懸念されるため、薬の在庫確保に力を入れたいとしています。

(長崎駅前薬局 出口 健一朗 管理薬剤師)
「不安な声を頂くこともあるが、患者さんも納得いただいて薬の変更の提案を受け入れて頂けることが多い。
少しずつ在庫状況は改善してきている。在庫確保に力を入れて、薬の提供ができるよう努めていきたい」

最終更新日:2025年1月21日 19:36