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大山で雪崩が発生 雪山登山の注意点は? 実際に雪山の大山を登った人は…「この時期にしては気温が高いので、雪崩の心配はあったのかなと」 鳥取県

2024年3月4日 18:53
大山で雪崩が発生 雪山登山の注意点は? 実際に雪山の大山を登った人は…「この時期にしては気温が高いので、雪崩の心配はあったのかなと」 鳥取県

3月2日正午過ぎ、鳥取県の大山で雪崩に巻き込まれ2人が行方不明となっている事故。4日も午前7時ごろに捜索隊が出発し、午後からはヘリコプターによる懸命の捜索が行われましたが、行方不明者はまだ見つかっていません。

警察によりますと、2日正午過ぎ鳥取県大山町の大山で「3人のうち2人が雪崩に巻き込まれた」と別のグループの登山者が通報。3人は福岡県から訪れていたグループで、福岡市の男性会社員(55)と男性会社役員(52)の行方が分かっていません。同じグループで登山をしていた72歳の男性は2日に救助され命に別条はないということです。

3人は2日午前8時半ごろから登山を開始。8合目尾根付近でロープを使った訓練を行う予定でしたが、雪の状態が悪かったため中断して下山。8合沢から7合沢にかけて横断していたところ雪崩に巻き込まれました。

琴浦大山警察署 井上将 地域課長
「雪崩の面等々を確認しましたけど引き続き危険な状態が続いているというところと雪崩注意報が継続して発令中。本日については大規模な人員を投入しての捜索の開始ということには至っておりません」

大山町では、2日朝から現在も雪崩注意報が出ていて、慎重な捜索が進められています。

では、雪山の大山を登る際、リスクはどこにあるのでしょうか。今年1月に雪山の大山に登ったばかりの男性に話を聞くとー。

今年1月に雪山の大山に登った 河村勇さん
「この時期にしては気温が高いので、雪崩の心配はあったのかなと思いましたし、例年に比べて雪がめちゃくちゃ少ないなという印象は受けました」

こう話すのは、動画共有サイトで自身の登山記録などを投稿している河村勇さん。冬の大山に毎年登る中で、ある特徴に気付いたと言います。

今年1月に雪山の大山に登った 河村勇さん
「6合目までは結構樹林帯の中を歩くような感じになるので、風とかはだいぶ木がしのいでくれるんですけど、6合目から上は雪が降ったら木とかが無い、吹きさらしの状態で過酷な状況になりますね。7合目か8合目の手前ですが、これだけ白くなったら無理」

実際、河村さんの動画でも視界が悪くなったため、急遽登山を断念していました。

今年1月に雪山の大山に登った 河村勇さん
「ホワイトアウトというのが有名だと思うんですけど、帰り道もわからなくなるという状況もあります。そうなる前に帰ろうという決断を下しています、いつも」

登山経験者も恐ろしさを感じている雪山の大山。登山時の注意点とはー。

日本山岳ガイド協会 武川 理事長
「風というのと濡れというのと、積雪ですね」

日本山岳ガイド協会の武川俊二理事長によりますと、登山による汗が知らず知らずのうちに冷えて低体温症になる可能性があると言います。また、雪崩の危険性についてはー。

日本山岳ガイド協会 武川 理事長
「新雪が25cm以上積もる、傾斜が30°以上あるような所であれば、必然的に崩れるということがありますので、そこは十分注意しましょう」

雪崩が起こった時に備えてビーコンという発信機を持っておくことが重要な対策だといいます。

日本山岳ガイド協会 武川 理事長
「悪天候の時には登らないが一つ。もう一つは新雪が25㎝以上積もっているような場合は、十分注意して、斜面地に入らないってことが必要になってくる」

急な積雪時は雪崩のリスクが増すため、山には近づかないのが原則と注意を呼び掛けています。