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国道9号改修工事に合わせ調査 工事現場の地中から約2トンもの古墳時代の出土品の数々 国内では数例しか確認されていない珍しい発見も 鳥取県湯梨浜町

2025年1月28日 17:21
国道9号改修工事に合わせ調査 工事現場の地中から約2トンもの古墳時代の出土品の数々 国内では数例しか確認されていない珍しい発見も 鳥取県湯梨浜町

国道9号改修工事に合わせて地中を調査ー。見つかったのは古代のロマン。古墳時代の珍しい出土品の数々が、鳥取県湯梨浜町で展示されています。

公益財団法人 鳥取県教育文化財団 調査室 坂本嘉和 文化財主事
「なかなか全国的にもない、大変珍しいものが出土しています」

鳥取県湯梨浜町の資料館に並ぶ、土器や鉄器などの数々。なんと、工事現場の地中から見つかったものなのです。発掘調査は国道9号の改修工事に伴い、文化財保護のため2022年から実施。調査では、現在の大阪・奈良・京都にあった大和政権の地から見つかった土器と同じものや、国内では数例しか確認されていない土器などが出土しています。

公益財団法人 鳥取県教育文化財団 調査室 坂本嘉和 文化財主事
「畿内(きない)や九州とのルート上にあたりますので、そういう交流の拠点であったと。(今回の発見で)長瀬髙浜遺跡の重要性がさらに高まったと考えています」

工事が行われている範囲は、湯梨浜町の北側、北条砂丘にある長瀬髙浜遺跡周辺。去年の調査では、貴重な中国製の鏡の1つ「飛禽鏡(ひきんきょう)」の破片や、ヤリなどに取り付ける飾り金具が見つかるなど、県内でも珍しい発見がありました。また、鉄を作る「鍛冶炉(かじろ)」の一部もこの遺跡では初めて発見。古墳時代前期では大変珍しく、当時最先端の鉄づくりが山陰で行われていたのではと注目を集めています。

公益財団法人 鳥取県教育文化財団 調査室 坂本嘉和 文化財主事
「この地域の重要な拠点で、有力者もいたのではないかと。地域の誇る遺跡だと思います。そのすばらしさを知ってもらいたいと思います」

約2トンの出土品があったという今回の発掘調査。見つかった出土品の展示は、2月2日まで湯梨浜町羽合歴史民俗資料館で開かれています。

最終更新日:2025年1月28日 18:51