青森県内でナマコ漁解禁 禁輸措置続くなか「中国に依存しない体制づくりが重要」 陸奥湾ホタテ高水温被害は…
10月に入り県内ではナマコ漁が解禁となりました。
中国が日本産水産物の輸入再開の方針を示すなか、宮下知事は「中国に依存しない体制づくりが重要」と強調しました。
陸奥湾では例年10月1日を解禁日として、ナマコ漁が始まります。
横浜漁港でも、きのう漁に出た船が港に戻ると、水揚げされたナマコが荷さばき所に集まってきました。
ただ、心配されるのは加工用として輸出され大きな収入源となっていた中国の、去年から続く禁輸措置です。
横浜町漁協では、ナマコの価格が高いときは1キロあたり7000円から8000円でしたが、禁輸措置以降は半分ほどまで下がったということです。
先月20日に国は、安全基準に合致した日本の水産物の輸入を再開することで中国と合意したと発表しました。
ただ、具体的な再開時期はまだ見通せません。
漁協では漁獲量や価格などの状況を見ながら、漁を続けることにしています。
★横浜町漁協 二木春美 組合長
「(中国の輸入再開に)一応安心はしていますがただいつ輸入再開できるかというのはまだ(対応を)考えているところです また10月に操業するか(ホタテの)稚貝の分散が終わってからゆっくり操業するか検討中です」
ナマコとともに禁輸措置の影響を受けたのが陸奥湾ホタテです。
陸奥湾ホタテを含めた輸出について、宮下知事は中国に依存しない体制づくりが重要と強調しました。
★宮下知事
「中国ばかりに一辺倒になるのではなく世界的に青森県のホタテというものが販売される仕組み流通づくりをしていく方がむしろ先に向かってはひじょうに重要」
ホタテを巡る心配は、禁輸措置だけではありません。
県内の生産量のおよそ半数を占める平内町漁協では…。
★青森放送 木下玲斗
「水揚げが落ち込んだことしの陸奥湾ホタテ、現場ではいまどのような状況なのでしょうか」
一部ではすでに、稚貝を選別する「分散」作業が始まっています。
県漁連によりますと、ことしのホタテの水揚げは陸奥湾全体で2万1664トンと、平年を下回った去年に比べ1万7千トン少なく平年の半分以下に留まりました。
ホタテ漁師は稚貝の生育状況について…。
★ホタテ漁師 塩越秀一さん
「いつもより20日も早く採取しているからもっと大きくてもいいんだけどどういうわけかこんなに水温高く無かったんだけど成長悪い」
県水産総合研究所によりますと湾内3つの観測地点では、高水温だった去年を下回っているものの、平年に比べて高めに推移しました。
先月下旬からは3地点ともに、分散作業の基準となる23℃前後と落ち着きはじめています。
★ホタテ漁師 塩越秀一さん
「水温のせいでは無いかも分からないがその年によって全然違うからな…ことしは水温まだ25度くらいの時が何日もなかったから耐えているけど」
去年はまだ水温が高い9月下旬に分散作業を始めたことも、へい死被害につながったとみられ、県漁連は水温の状況を慎重に見極めた上で作業にあたってほしいと呼びかけています。