ドローンで高知県内各地の表情を紹介「空からeyeましょう」 2024年総集編【高知】
高知県内各地の表情をドローンで紹介する「空からeyeましょう」
今回は2024年の総集編です。今年1年かけて撮影した四季折々の映像を紹介します。
<1月27日撮影・いの町吾北地域「コウゾ蒸し」>
1月。いの町・吾北地域ではこの時季の風物詩である伝統の作業がおこなわれていました。
土佐和紙の原料となるコウゾの枝を蒸して皮を剥ぎやすくする「コウゾ蒸し」です。
「甑(こしき)」と呼ばれる大きな木の桶を束ねたコウゾにかぶせて2時間ほど蒸したあと、地区の住民たちが集まって皮はぎをおこなっていました。
かつては県内各地で見られたコウゾ蒸しも今では珍しい光景に。吾北では住民たちの営みとして静かに受け継がれています。
<3月31日撮影・仁淀川町寺村地区「ハナモモ」>
3月。急峻な傾斜地が広がる仁淀川町寺村地区でハナモモが見ごろを迎えていました。
一面に咲きそろう景色は、まるで桃源郷のような美しさ。
このハナモモは20年ほど前、地元の片岡一徳さんが茶畑だった場所に手作りの公園を作ろうと花を植えたのが始まりです。その後、地域の住民と協力してコツコツとその数を増やし、今では1200本を超える色とりどりのハナモモが集落を彩っています。
また仁淀川を一望できる景色とのコントラストも人気で、県内外から多くの人が訪れる観光スポットとなっています。
■片岡一徳さん
「まぁやって良かったなというのが本当の気持ち。本音ですね。こんなに人を呼ぶつもりで始めたんじゃなかったけれど、やるからには途中でやめたら人に笑われるきね。そういう気持ちを持って。できる範囲でやっております」
<4月13日撮影・佐川町斗賀野地区「ツツジ園」>
佐川町の山あいにある斗賀野地区。
この地区をまたぐ様に立つ虚空蔵山の中腹に広がるのがツツジ園です。オンツツジやキリシマツツジなどの花々が山の斜面を鮮やかに染めていました。
約30年前に地元の山中博幸さんが父親の盛幸さんと親子2代で雑木林から切り開き作り上げたツツジ園。その後、父親の跡を継いだ博幸さんが1人で整備を続けてきましたが、高齢となり手入れなどの管理が難しくなってきていました。
そんな中で去年、地元の地域おこし協力隊の遠藤みさきさんと出会い、新たな園主として後を継いでもらうことになりました。
■遠藤みさきさん
「山中さんとその先代のお父様から継がれてきたこのツツジ園の想いっていうのを聞いていくうちに、 美しいツツジがこんなにもあるのかっていう感動があった。できるだけたくさんの方に見ていただけるようになるといいなと思っています」
<5月撮影・高知市「竹林寺」>
新緑が眩しい5月に訪れたのは高知市を一望できる五台山。
この山の頂上付近にあるのが四国霊場・第三十一番札所「竹林寺」です。
開かれたのは奈良時代の724年。以来、遍路など多くの人々からの篤い信仰を集め、去年開創1300年を迎えました。
参道を登り、本堂や大師堂がある場所にやってきました。この場所で大きな存在感を放っているのが「五重塔」です。元々竹林寺には古くから「三重塔」がありましたが、1899年の台風被害により倒壊。1980年に現在の五重塔として復興しました。高さは約31メートル。鎌倉時代の建築様式が随所に見える総ヒノキ造りの塔が空高くまでそびえ立つ姿は壮観です。
その他にも秘仏の本尊「文殊菩薩」など貴重な文化財が多く残る県内屈指の由緒ある寺院ですが、これまでに自然災害や明治期に起きた仏教の排斥運動「廃仏毀釈」など、多くの苦難に見舞われてきました。
その度にその時代を生きる人々とともに乗り越え、現在まで時を重ねています。
<7月8日撮影・本山町吉延地区「棚田アート」>
7月。イネが青々と伸びた夏に本山町・吉延地区で毎年姿を見せるのが「棚田アート」です。今年は干支の「竜」に、傘を差している女の子。地区のご当地キャラクターであるハチなどが可愛らしく描かれていました。
吉延の棚田アートは、ブランド米「土佐天空の郷」をこの地区で生産する吉延営農組合が地域に人を呼び込もうと10年ほど前からおこなっているもの。今では県内外から多くの人が訪れる人気のスポットとなっています。吉延地区の棚田は室町時代から続くといわれる歴史ある風景。過疎や高齢化など農業をとりまく環境は厳しさを増していますが、この棚田を維持し未来へつなぎたいと話します。
■吉延営農組合・田岡清さん
「年々農地が減少している中にあって維持するのが大変な状態なんですが、やはり自分たちも楽しみながらやっていく事も大事だと思うので、自分たちの生活の中での励みにもなると思う。少しでも現状の棚田が維持できるように何とか頑張っていきたい」
<9月撮影・越知町南ノ川地区「聖神社」>
9月。山奥の絶壁に建てられた「秘境の神社」をドローンが捉えました。
越知町の南西部に広がる南ノ川地区で高さ約200メートルの断崖絶壁のわずかな空間に建てられている「聖神社」です。
地元では神様がこの場所に仏堂を投げ入れたという言い伝えがあり「土佐の投入堂」とも呼ばれています。
近年では全国的にも珍しい「絶壁建築」としてSNSなどで注目されています。
なぜ、この場所に神社が建てられたのか。
越知町などによりますと、少なくとも1878年(明治11年)には存在していた記録が残るものの、それ以前の詳しい歴史についてはよくわかっていません。一説では「修験道」といわれる山岳信仰の修行の場の1つとしてしてできたのではないかといわれています。
山深い断崖絶壁にある「聖神社」。謎多き秘境の神社として、その姿を今に伝えています。
<11月6日撮影・高知市「龍馬像」>
今年11月に189回目の誕生日を迎えたあの偉人にも空から会いにいきました。
高知を代表する観光名所「桂浜」のすぐ近くにある丘の上に建っているのが、高知が生んだ幕末の英雄・坂本龍馬の銅像です。
足元はブーツ。懐に手をいれたポーズなど私たちがよく知る龍馬の姿を再現しています。
桂浜の龍馬像は1928年(昭和3年)、県出身の青年たちが当時まだあまり注目されていなかった坂本龍馬の知名度をあげようと全国に募金活動を展開。
像の高さは5.3メートル。台座を含めた高さは13.5メートルと、実在の人物をモデルとしたものでは当時、国内最大級の銅像として建てられました。
作家・司馬遼太郎さんの小説「竜馬がゆく」は司馬さんが桂浜を訪れた際にこの銅像建立の経緯を聞き、執筆を決意したともいわれています。
これまでに潮風や台風の影響で銅像内部が錆びるなど倒壊の危機がありましたが、その度市民や龍馬ファンの募金で修復活動をおこない、銅像を守ってきました。
建立から間もなく100年をむかえる坂本龍馬像。高知の今を、そして明日を桂浜から見つめています。
県内各地を巡るドローンの旅。来年も空からとらえた様々な表情をお届けします。
今回は2024年の総集編です。今年1年かけて撮影した四季折々の映像を紹介します。
<1月27日撮影・いの町吾北地域「コウゾ蒸し」>
1月。いの町・吾北地域ではこの時季の風物詩である伝統の作業がおこなわれていました。
土佐和紙の原料となるコウゾの枝を蒸して皮を剥ぎやすくする「コウゾ蒸し」です。
「甑(こしき)」と呼ばれる大きな木の桶を束ねたコウゾにかぶせて2時間ほど蒸したあと、地区の住民たちが集まって皮はぎをおこなっていました。
かつては県内各地で見られたコウゾ蒸しも今では珍しい光景に。吾北では住民たちの営みとして静かに受け継がれています。
<3月31日撮影・仁淀川町寺村地区「ハナモモ」>
3月。急峻な傾斜地が広がる仁淀川町寺村地区でハナモモが見ごろを迎えていました。
一面に咲きそろう景色は、まるで桃源郷のような美しさ。
このハナモモは20年ほど前、地元の片岡一徳さんが茶畑だった場所に手作りの公園を作ろうと花を植えたのが始まりです。その後、地域の住民と協力してコツコツとその数を増やし、今では1200本を超える色とりどりのハナモモが集落を彩っています。
また仁淀川を一望できる景色とのコントラストも人気で、県内外から多くの人が訪れる観光スポットとなっています。
■片岡一徳さん
「まぁやって良かったなというのが本当の気持ち。本音ですね。こんなに人を呼ぶつもりで始めたんじゃなかったけれど、やるからには途中でやめたら人に笑われるきね。そういう気持ちを持って。できる範囲でやっております」
<4月13日撮影・佐川町斗賀野地区「ツツジ園」>
佐川町の山あいにある斗賀野地区。
この地区をまたぐ様に立つ虚空蔵山の中腹に広がるのがツツジ園です。オンツツジやキリシマツツジなどの花々が山の斜面を鮮やかに染めていました。
約30年前に地元の山中博幸さんが父親の盛幸さんと親子2代で雑木林から切り開き作り上げたツツジ園。その後、父親の跡を継いだ博幸さんが1人で整備を続けてきましたが、高齢となり手入れなどの管理が難しくなってきていました。
そんな中で去年、地元の地域おこし協力隊の遠藤みさきさんと出会い、新たな園主として後を継いでもらうことになりました。
■遠藤みさきさん
「山中さんとその先代のお父様から継がれてきたこのツツジ園の想いっていうのを聞いていくうちに、 美しいツツジがこんなにもあるのかっていう感動があった。できるだけたくさんの方に見ていただけるようになるといいなと思っています」
<5月撮影・高知市「竹林寺」>
新緑が眩しい5月に訪れたのは高知市を一望できる五台山。
この山の頂上付近にあるのが四国霊場・第三十一番札所「竹林寺」です。
開かれたのは奈良時代の724年。以来、遍路など多くの人々からの篤い信仰を集め、去年開創1300年を迎えました。
参道を登り、本堂や大師堂がある場所にやってきました。この場所で大きな存在感を放っているのが「五重塔」です。元々竹林寺には古くから「三重塔」がありましたが、1899年の台風被害により倒壊。1980年に現在の五重塔として復興しました。高さは約31メートル。鎌倉時代の建築様式が随所に見える総ヒノキ造りの塔が空高くまでそびえ立つ姿は壮観です。
その他にも秘仏の本尊「文殊菩薩」など貴重な文化財が多く残る県内屈指の由緒ある寺院ですが、これまでに自然災害や明治期に起きた仏教の排斥運動「廃仏毀釈」など、多くの苦難に見舞われてきました。
その度にその時代を生きる人々とともに乗り越え、現在まで時を重ねています。
<7月8日撮影・本山町吉延地区「棚田アート」>
7月。イネが青々と伸びた夏に本山町・吉延地区で毎年姿を見せるのが「棚田アート」です。今年は干支の「竜」に、傘を差している女の子。地区のご当地キャラクターであるハチなどが可愛らしく描かれていました。
吉延の棚田アートは、ブランド米「土佐天空の郷」をこの地区で生産する吉延営農組合が地域に人を呼び込もうと10年ほど前からおこなっているもの。今では県内外から多くの人が訪れる人気のスポットとなっています。吉延地区の棚田は室町時代から続くといわれる歴史ある風景。過疎や高齢化など農業をとりまく環境は厳しさを増していますが、この棚田を維持し未来へつなぎたいと話します。
■吉延営農組合・田岡清さん
「年々農地が減少している中にあって維持するのが大変な状態なんですが、やはり自分たちも楽しみながらやっていく事も大事だと思うので、自分たちの生活の中での励みにもなると思う。少しでも現状の棚田が維持できるように何とか頑張っていきたい」
<9月撮影・越知町南ノ川地区「聖神社」>
9月。山奥の絶壁に建てられた「秘境の神社」をドローンが捉えました。
越知町の南西部に広がる南ノ川地区で高さ約200メートルの断崖絶壁のわずかな空間に建てられている「聖神社」です。
地元では神様がこの場所に仏堂を投げ入れたという言い伝えがあり「土佐の投入堂」とも呼ばれています。
近年では全国的にも珍しい「絶壁建築」としてSNSなどで注目されています。
なぜ、この場所に神社が建てられたのか。
越知町などによりますと、少なくとも1878年(明治11年)には存在していた記録が残るものの、それ以前の詳しい歴史についてはよくわかっていません。一説では「修験道」といわれる山岳信仰の修行の場の1つとしてしてできたのではないかといわれています。
山深い断崖絶壁にある「聖神社」。謎多き秘境の神社として、その姿を今に伝えています。
<11月6日撮影・高知市「龍馬像」>
今年11月に189回目の誕生日を迎えたあの偉人にも空から会いにいきました。
高知を代表する観光名所「桂浜」のすぐ近くにある丘の上に建っているのが、高知が生んだ幕末の英雄・坂本龍馬の銅像です。
足元はブーツ。懐に手をいれたポーズなど私たちがよく知る龍馬の姿を再現しています。
桂浜の龍馬像は1928年(昭和3年)、県出身の青年たちが当時まだあまり注目されていなかった坂本龍馬の知名度をあげようと全国に募金活動を展開。
像の高さは5.3メートル。台座を含めた高さは13.5メートルと、実在の人物をモデルとしたものでは当時、国内最大級の銅像として建てられました。
作家・司馬遼太郎さんの小説「竜馬がゆく」は司馬さんが桂浜を訪れた際にこの銅像建立の経緯を聞き、執筆を決意したともいわれています。
これまでに潮風や台風の影響で銅像内部が錆びるなど倒壊の危機がありましたが、その度市民や龍馬ファンの募金で修復活動をおこない、銅像を守ってきました。
建立から間もなく100年をむかえる坂本龍馬像。高知の今を、そして明日を桂浜から見つめています。
県内各地を巡るドローンの旅。来年も空からとらえた様々な表情をお届けします。
最終更新日:2024年12月24日 18:51