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設営・給水・救護の現場では…愛媛マラソンのランナー支えた5594人のボランティア

2025年2月13日 17:00
設営・給水・救護の現場では…愛媛マラソンのランナー支えた5594人のボランティア

愛媛マラソンの舞台裏で、過去最多のランナーを支えたのは過去最多5594人のボランティアです。影の立役者に密着しました。

スタート1時間半前。スタート地点となる愛媛県庁前では、ある準備が始まろうとしていました。緑のジャンパーを着た、高校生ボランティアが集まっていました。その中に…

松山学院高校野球部 山内慎貴キャプテン(2年):
「並んで。2列に並んで。移動して。移動するよ」

今回、初めて愛媛マラソンのボランティアに参加したという松山学院高校の野球部。1、2年生20人あまりの部員をまとめるのは、山内慎貴キャプテンです。

野球部が向かったのは、松山地方裁判所前。彼らの任務は…

山内キャプテン:
「あそこにあるコーンを並べていって、コースを作ったり」

1万人のランナーを送り出すスタート地点のゲート設営です。スタートからおよそ500メートルの区間を複数の高校で分担して三角コーンを並べ、道路を区切りコースを作ります。

松山学院野球部 阿保暢彦監督:
「参加することによって、より(愛媛マラソンを)身近に感じて、競技は違うが、手伝うというかボランティアということで非常にいい経験じゃないかと思う」

時を同じくして…ここはスタートからおよそ22キロ地点、松山市高田の光徳院給水所。高校生ボランティアに給水の仕方を説明しているのは川本正司さん、67歳。愛媛マラソンボランティア歴は10年以上というベテランです。自衛官だったという川本さん。

川本さん:
「自衛隊の中の大会があったりするんです。冬場だったらスキーとか僕らも見守ってもらった経験がありますし、どうせなら手伝った方が良いんじゃないかと」

光徳院の給水所には、北条高校の生徒46人も参加。

川本さん:
「8割くらいの方がここで給水をします向こうの22キロの関門が終わるまで給水は途絶えません。それなりに列になって来てると思ってください」

給水と一言で言っても、そう簡単なものではなく…ベテランボランティア川本さんによると気温によっても状況が変化するといいます。

川本さん:
「気温的には5℃前後なので、タイム的には選手としては楽です。空気が乾燥してるから若干喉が渇いてくる傾向はあると思います。10℃を超えるとてんやわんやになる可能性があります。というのは1人の飲む量が増えちゃって」

再び、スタート地点エリアの裁判所前。ボランティア初参加の松山学近高校野球部の部員たちの最初のミッションがスタート。交通規制の開始とともに30分以内でコースを作ります。

山内キャプテンら内野陣が、1メートル間隔でコーンを並べていき…その上にバーをセットしていきますが…急いで、余分に置き過ぎたコーンを回収し、予定されていた場所に移動させ、無事、セット完了!

山内キャプテン:
「初めてやることなんで、スムーズにいかないこととかもあった。気持ちよくスタートして走ってもらえればうれしい」

愛媛マラソンがスタートしました。高校生はハイタッチでランナーを見送ります。

松山学院野球部:
「最高」
山内キャプテン:
「雰囲気がいいです。みんなノリ良くて楽しいです」

スタートから16分、最後のランナーが通過したところで…交通規制が解除される10時半までの14分間で、セットした全てのコーンやバーを撤去します。

山内キャプテン:
「日頃自分たちは“やってもらってる”身で、やってくれてる人のありがたみとか分かったし。これからもそういう人たちに感謝して、プレーをしていきたい。この後は、一回41キロ地点に移動して、そこからもう一回、最初やったコーンを置く作業をもう一回やる」

午前11時すぎにトップ選手が通過。それを皮切りに続々とランナーがやってきます。

川本さん:
「4テーブルありますから落ち着いてとってください」

この給水所のエリアには体調に異変を感じたランナーが駆け込む救護所も。

医師:
「低体温症とか気になるかなと思います」

連日の寒波で、この日もスタート時点の松山の気温は3℃。最高気温は7.5℃と例年より気温が低い中でのレース。低体温症と見受けられるランナーに、事前に温めておいた経口補水液や毛布などで体を温めていきます。

一方こちらはフィニッシュ地点の堀之内に設置された救護本部。

竹葉淳医師:
「意識はあるんですねしっかりね、救護所まで運んでいただいてそこでしっかり温めていただいたらよろしいかと思います」

竹葉医師:
「スタートしてから3時間半4時間くらいになってきて例年この時間帯から一気に要請が増えてきて今年も今どんどん増えてます。低体温のような症状の方が結構続出してまして、救護車両とか救急車を何台かいま要請している所です」

マラソンの制限時間まで2時間。ランナーにとっての正念場は、ランナーを支えるスタッフにとっても同じのようです。

医師:
「これからあと2時間が本当の1番の山場になりますので」

食べものでランナーを支える人たちも…光徳院近くに本社を持つ山田屋まんじゅう。この日はまんじゅうを8000個以上用意。ランナーがとりやすいようお盆の上などにのせて渡していきます。

山田屋スタッフ:
「みなさん笑顔で受け取っていただいたので、半分まで頑張ってきた方最後まで頑張って走ってくださいという気持ちで応援させていただきました」

日本航空松山支店スタッフ:
「日本航空のスープですいかがでしょうか?」

ダイキアクシスのスタッフ:
「温かいものを食べたいだろうということでにゅうめんとゆず茶。結構あったかくはなっているがそれでも寒いと言って来られる方多いので、喜んでいただいてると思う」

過去最多出場となった今年の愛媛マラソン。ランナーの42.195キロの挑戦を支えた、5594人のボランティア。設営に、給水に、救護に…主役を影で支え続けた人たちもお疲れ様でした。

最終更新日:2025年2月13日 17:00