人口減少続く津島町で…地域に活気を届けたい!高校生が子どもたちに“夏祭り”をプレゼント
この夏、愛媛・宇和島の高校生が地元の子どもたちに素敵な思い出をプレゼントしました。人口減少が続く地域に活気を届ける高校生たちの頑張りを取材しました。
射的に、金魚すくい。
巨大迷路では…
子どもたち:
「ワー!キャー」
この歓声。
先月、宇和島市で開かれた“こども夏祭り”です。
地元児童ら:
「とても楽しいです!」
祭りの裏方役を買って出たのは、地元の高校生でした。
「みんなで協力するのが楽しい」
「こうやって本番で成果が出せて、とても嬉しいです」
夏祭り開催まで1か月となった今年7月。宇和島東高校津島分校の生徒たちは、夏休み返上で準備を進めていました。
3年 谷口莉菜さん:
「今は、屋台の看板を作っています」
毎年恒例、8月に開かれる“こども夏祭り”。今年は津島分校の生徒たちが地元NPO団体と共同で盛り上げることになりました。
3年 岡崎紗和さん:
「夏休みを返上してでも、子どもたちの笑顔が見られるならというみんなの一心で準備を進めてきた。けっこう少子高齢化になってきていて、大変な環境になってきてるんですけど」
50年前の半分、8750人に減少した宇和島市津島町の人口。中学生以下の児童・生徒数は、50年前の5分の1、474人に。町に13校あった小学校は、半分以下の6校にまで減っています。
祭りを共催 宇和島NPO団体てくてく田村裕子さん:
「かつては、子どもが多かった時期は、夕涼み会だったり、商店街の中でも子ども向けの夏祭りがあったんですけど、だんだん少なくなっていってしまって」
津島分校の生徒が初めて裏方として参加する、町の一大イベント。
森萌栞さん:
「津島の子たちの役に立てたらいいなと思う」
岡崎紗和さん:
「たくさんの子どもたちに来てもらえたら嬉しい」
山﨑幹大さん:
「津島の子どもたちは元気いっぱいなので、たとえ少なくてもすごく盛り上がると思っています」
今年の夏祭りには、高校生が出し合ったアイデアが満載!
段ボールで作っていたのは、お手製の迷路です!
谷口幸優さん:
「後ろ、どうする?後ろもはっとく?どう広がっていくかよ。こう広がるのか、こうか、こうか、色んな行き方がある」
小さい子どもでも楽しめるよう、難易度はちょっと低めです。
生徒たち:
「倒す人、おらん?」
「おらん」
「ま、よほど腕白なキッズや無い限りは笑」
こちらは定番人気の「金魚すくい」。
谷口幸優さん:
「これに来てくれた子どもたちが すごく喜んでやってくれると思うので、それを考えたら楽しみです」
ほかにも独自の企画を多数用意!手間と時間をかけて、納得いくまで準備を進めます。
そして翌日。いよいよ、こども夏祭りの当日です!会場は午前中から、たくさんの家族連れで大賑わい!中には、長い行列ができるコーナーも!
岩松小4年:
「難易度も高くて面白かったです。いい夏休みの思い出になりました」
そしてこちら、相撲の強豪・津島分校ならではのコーナー!相撲部メンバーによる押し相撲対決です!
園児:
「ありがとうございます」
園児:
「(お相撲さんは)ちょっと強かった…お祭りが出来て嬉しかった」
津島分校相撲部:
「とても嬉しい。短い時間ですけど、この一日を楽しんでほしい」
さらに、この日のために用意したオリジナルのレシピで作る唐揚げを販売!
森萌栞さん:
「隣が二度揚げで、あのこんがりしたのが完成です」
西川深乃梨さん:
「みんなで協力するのが楽しい。絶対おいしいと思います」
リンゴ飴やブドウ飴と合わせて、売れ行き上々のようです!
そして、あの手作り段ボール迷路も…大盛況でした!
野村町から:
「高校生が主体となってやってくれて、手作り感があってとてもいいなと思った」
地元から:
「子どもがどうしても少なくなってきている地域なので、こうやって交流の場があるとすごく助かります。盛んにやってもらったらありがたいです」
地元から:
「射的で1等当たったの」
岩松小 児童:
「とても楽しいです!」
Q何が楽しかった?
「金魚すくい!綿あめとか…射的が楽しかった!」
最終的におよそ400人の子どもたちが来場した、ことしの夏祭り。
森萌栞さん:
「思っていたよりお客さんも来てくれて賑わったし、楽しかったです」
岡崎紗和さん:
「達成感があって嬉しいです。ずっと前から企画してて、こうしよう、ああしようって作戦も立てていたので、こうやって本番で成果が出せてとても嬉しいです。みんなの笑顔が見られて、いろんな声が聞けて、こっちもやってて良かったなって思いました」
地域への思いを胸に、祭りと向き合った今年の夏。
津島分校の生徒たちにとっても、かけがえのない思い出になったようです。