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オリジナル商品販売で黒字化を目指せ!子どもたちが「会社経営」で本気の商売に挑んだ5か月間

2023年11月21日 19:11
オリジナル商品販売で黒字化を目指せ!子どもたちが「会社経営」で本気の商売に挑んだ5か月間
子どもたちが自ら開発したオリジナル商品を販売

商品開発から販売、そして決算まで。子どもたちによる本格的な販売体験イベントが愛媛県伊予市で開かれました。目指すは、「完売」と収支の「黒字」化。子どもたち、「本気」の商いです。

愛媛県伊予市で開かれた「ジュニアエコノミーカレッジinいよし」の、販売実践会。

伊予市と松前町の小学5年生と6年生およそ30人が6つの株式会社を設立。自分たちが開発したオリジナル商品を販売します。

同級生の女の子5人でチームを組んだ「株式会社ウォーリー」。「社長」の日山凉羽さんと「財務部長」の古家愛さんは生まれたときからの幼なじみ。愛さんの実家の豆腐店「豆愛」の豆腐を使った焼きドーナツと手作りブレスレットを販売します。

今年7月にスタートした「ジュニアエコノミーカレッジin伊予市」。

子どもたちが、資本金1万円と融資の1万円。あわせて2万円を元手に地元産の品を取り入れた商品を開発。

仕入れ、製造・販売の費用と収益をまとめた収支決算書の作成。そして報酬の分配、納税と、およそ6か月かけて本格的な「商売」を体験、グランプリを決定します。

融資を受けるプレゼンでは涙…大人たちも本気で審査

8月、融資を受けるためのプレゼンでは…

涼羽さん:
「ドーナツの上にカラフルチョコをのせて、かわいく仕上げたドーナツを販売したいと思います」

証券取引所役の男性:
「食品は事前に準備できないので」
「どうやってチョコレートを冷ましますか?」
ウォーリーのメンバーたち:
「…」

証券取引所役の男性:
「もう1回来てください」

商売の厳しさを実感しました。

原料の調達へ「経営者としていかにコストを抑えるか」が課題

販売イベントの前日。

「株式会社ウォーリー」のメンバーが、ドーナツの材料を仕入れに「豆愛」にやってきました。経営者としていかに原料コストを抑えるかが、腕の見せ所です。

愛さん:
「50円で売ってください」
愛さんの両親:
「1丁50円」
愛さん:
「はい、よろしくお願いします」
愛さんの両親:
「値切り交渉?これ。こっちも赤字やな。赤字覚悟で」

ドーナツの原料、1丁140円の絹ごし豆腐。半額以下で調達できました!

いよいよ販売会当日 開始前の3時間でドーナツ150個の完成めざして

販売会当日の、午前8時。午前11時の販売開始に向け、調理スタートです。

ヘルシーさを売りにした豆腐入りの焼きドーナツを販売する、「株式会社ウォーリー」。

販売開始までの3時間で150個のドーナツ完成をめざします。

ジュニアエコノミーカレッジ 大政裕志実行委員長:
「販売開始前に作ってもらって、つくり切れなかったらその時点で終わり。作れた分だけで販売する」

「“商売”を学んでもらおう」と企画された、今回の取り組み。商品の数が揃わないと売り上げが下がり、赤字になることもありえる、シビアな一面も持ち合わせています。

調理室に用意された5台のオーブンレンジは6チームで共用。決められた条件の中でいかに効率よく商品を製造するか。

「ジュニアエコノミーカレッジ」が掲げる、“本気の商売”に欠かせない、大切な要素です。

開会式の直前、販売テントにドーナツが運び込まれました。滑り込みセーフです。

午前11時、ついに販売がスタートしました。

お客さん:
「ブルーハワイソーダを1つ」
他チーム:
「ブルーハワイソーダひとつ。200円です」

他チーム:
「いらっしゃいませー」
「(お釣り)500円です。ありがとうございました」

各チーム、順調な滑り出し!

買い物に来た子どもたち:
「5年生です!楽しそうやなと思った」
「やりたい。この中になかったの売りたい」

審査も担当する、実行委員長の大政さん。

大政実行委員長:
「商品の出来栄え、それから…ちゃんと大声で販売できてるか、笑顔で接客できてるか、一番たくさん売れたところが優勝ではなくて、総合評価で優勝が決まる」

親子連れ:
「チョコ3個くださいよ」
「ちょこさんこください」
愛さん:
「160かける3」
凉羽さん:
「480円です」

「ウォーリー」の豆腐ドーナツ。飛ぶように売れていきます。

と!ブースに現れたのは、融資の審査で事業計画を厳しく追求した、「証券取引所役」の男性。

証券取引所役の男性:
「5個もらおうか。5個いったらないなる?」愛さん「大丈夫です」

ドーナツ5個と合わせて、手づくりブレスレットも2個購入です。

古家愛さん:
「ちょっと猫かぶったかな」
Q.きょうは優しかった?
「はい」

証券取引所役の男性:
「おいしいですよ。厳しさというか、自分たちが売りたい物と買ってもらえるものも、きょうやってみないと分からなかった。彼女たちにとっていい経験になれば」

その後もドーナツは順調に売れ続け、販売開始からわずか1時間…

サポーターの大人:
「完売?」
ウォーリー一同:
「ありがとうございました」

「ウォーリー」の豆腐ドーナツ、無事、完売です!気になる売上金額は、しめて、4万420円也。資本金と融資を除いて2万420円の黒字を達成です!

大政実行委員長:
「おめでとうございます。お疲れさまでした」

日山凉羽さん:
「思うようにあんまり売れなくて、販売は難しいと分かった。目標が達成できて良かった」

凉羽さんの父・暢靖さん:
「親としたらドキドキで本当に不安でしょうがなかったけど、完売してよかった。普段見ない顔だったので本当に頼もしいなと思った」

今後、決算報告書を作成して、伊予市に「納税」することになっている「ジュニアエコノミーカレッジin伊予市」。

大政実行委員長:
「商売するっていう楽しさをぜひ今回で学んでもらって、この伊予市を盛り上げてくれる子たちが一人でも多く出たらいいなと思う」

子どもたちが本気で挑んだ5か月間。このメンバーの中から将来、本当の起業家が誕生するかもしれません。