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夏の繁華街に一大イベントで…治安を守る職質のスペシャリスト「自動車警ら隊」新人隊員に密着

2024年6月28日 18:31
夏の繁華街に一大イベントで…治安を守る職質のスペシャリスト「自動車警ら隊」新人隊員に密着

かつての賑わいを取り戻した華金の繁華街に土曜夜市。暑くなるこの時期に増加する犯罪を未然に防ごうと、日夜活動を続ける職務質問のスペシャリストに密着です。

事件解決の行方を左右する初動捜査の要にして、犯罪を見抜く職務質問のプロ集団。

「愛媛県警・自動車警ら隊」。

鋭い洞察力と躊躇ない行動力を武器に、昼夜を問わず愛媛の治安を守り続ける。その最前線に迫ります。

愛媛県警「自動車警ら隊」初の女性隊員

松山東警察署に詰所を置く愛媛県警自動車警ら隊、通称「自ら隊」。ここを拠点に、24時間の交代制で県内全域を対象にして活動しています。

職務質問などを通して犯罪の検挙や予防を強化する目的で発足し、今年で10年の節目を迎え、この春、自動車警ら専門部隊初の女性隊員が入隊しました。

(口達式)
「愛媛県警察自動車警ら隊、第一小隊長主任を命ずる」

4月。緊張した面持ちで口達式に臨んでいたのは新人の濵田絵美隊員です。

濵田絵美隊員:
「改めて自ら隊の一員になれたんだと思う」

念願の自ら隊を象徴する腕章を身に着け、おもわず笑みがこぼれます。

「県警初の女性隊員ということで非常にプレッシャーも大きいが、選んでいただいたからには期待に応えられるように頑張りたい」

入隊から2か月半。

濱田さん:
「気合いのチョコです。みんなで食べて」

午後5時過ぎ、大好物チョコで糖分補給し、夜のパトロール開始です。

濱田さん:
「なんか、怪しい」

早速、違和感を感じた濵田隊員。

「後ろなんかスモークみたいなカーテンみたいな、布みたいなのがはいってましたね。どっか広い所で停めましょう」

「パトカーの前のプリウスの運転手さん左によって停まってください。駐車場左によって停まってください」

追跡し、職務質問したものの問題はなかったようです。行き過ぎる人や車などを観察し、違和感を感じれば次々と声をかけていきます。

濵田さん:
「薬物や禁制品を持っている人を通報とかではなく、こちらから先に見つけて声を掛けられるところは防犯の面でいうと最大の武器だと思うので」

自動車警ら隊の隊員は、こうした職務質問をきっかけに犯罪の芽を摘み取ることで、日々愛媛の治安を守っているのです。

鋭いまなざしで周囲を見渡し、パトロールに奮闘する濵田隊員にはある憧れの存在が―。

職質の第一線で活躍した父のように

(2014年)
父・真左記さん
「自転車止まってくれる?悪いけどちょっと停まってね」

濵田隊員の父・真左記さんです。

濵田さん:
「警察官という大変な仕事だったと思うがしっかり職務を全うしたというところは尊敬できるかなと」

およそ40年間、警察官人生の大半を地域課員として歩んだ真左記さん。当時、年間100件もの刑法犯を検挙し、県警本部長表彰を受けたほか、愛媛県警に初めて作られた職務質問指導係の技能指導官に抜擢されるなど職質の第一線で活躍しました。

そんな真左記さんのモットーは…

「こんにちは。きょうは何を買いに来たのですか?おいしいもの?」

‟笑顔”です。

濵田さん:
「(父と)同じように県民の方に親しみを持ってもらえるようになったらいいなと」

華金の繁華街。多くの人で賑わう中、路上には大量の自転車やバイクが―。

渡部さん:
「きょうチャリめちゃめちゃ多いですね、ヤバいですねこれ、ぎっしり。自由に停めるなみんな」

(午後11時)
徐々に酔客も増え、犯罪が増える時間帯になってきました。

井上さん:
「あ!ちょっと待ってもらっていいですか」
渡部さん:
「なんでこれ割りばしたっとるん?割りばしってパケ(薬物の小袋)を最後ライターであぶって閉じるときに使うらしい。要注意で」

駐車している怪しい車を発見。しかし、運転手不在のため職質をかけることはできませんでした。

盗撮事案に器物損壊!?夏の一大イベント・土曜夜市で

梅雨真っ只中のこの日、繁華街で行われていたのは。大街道や銀天街は多くの人で賑わいます。すると…

三瀬さん:
「愛媛442から愛媛本部。愛媛本部です、どうぞ。現場直近のため先行臨場します」

店舗内で盗撮事案発生の通報が。

現着からおよそ40分。店舗内で女性をカメラで盗撮した疑いで中年の男を任意同行。男をパトカーに乗せ、警察署に連れていきます。

無線:
「本部から愛媛442」
濱田さん:
「うちが呼ばれました。愛媛442です、どうぞ」

近くで「バイクのヘルメットに液体のようなものを入れられた」との110番通報が。

器物損壊事件発生か。すぐに被害者と接触し、濵田隊員も現場で状況を確認します。

ヘルメットの中にはべったりと白い液体ようのものが。

濱田さん:
「ボンドかシリコンの埋めるパテみたいなものかもしれない。今日最後に無事だった状態を確認したのは?」
被害者:
「14時くらい」

濵田さん:
「このような状態なので器物損壊ということで被害届の受理を進めるようになります」

休む間もなく、パトロールを続けます。日付が変わった深夜1時半。再び繁華街に戻ろうとした次の瞬間「男性が車道と歩道の間で倒れている」との通報が。急いで現場に急行します。

隊員:
「休むところやないけんここはいかん。道路は危ないし家どこよ?」

酔っぱらった男性が道路で倒れていたようです。安全な場所に移動させ質問しますが、返答はありません。

三瀬さん:
「酔っぱらいについては救急隊に引継ぎ、現在ストレッチャーに収容し、救急車内へと搬送中」

男性は救急搬送されました。

女性警察官として見出した新たな夢

パトロール開始から9時間半がたった深夜2時半。ようやく松山東警察署に戻ってきました。

濵田さん:
「夜市もあったのでかなり人が多くて事案対応とかも立て込んでいたので、こういう日もあるのかなと。しっかり職務質問をできるようになり検挙につながることによって県民の皆さんが安全・安心に暮らせるような街づくりに貢献出来たらと」

入隊から2か月半。日々勉強中の濵田隊員にとってもう一つの夢が。

「女性に対しては所持品検査とか身体に接触するのも女性警察官でないとできないこともたくさんあるので、そういったところをやりがいに感じて。これから自ら隊目指して職務質問でしっかり検挙を目指していきたいという女性が増えたらいいなと思います」

私たちの暮らしを守るために。濵田隊員の挑戦は始まったばかりです。