×

40年以内に発生確率90%の南海トラフ巨大地震 体験者と第一人者から“未来の被災地”へのメッセージ

2023年12月18日 10:26
40年以内に発生確率90%の南海トラフ巨大地震 体験者と第一人者から“未来の被災地”へのメッセージ
東北大学 今村文彦教授

東日本大震災や熊本地震など大きな災害を経て、科学や防災対策は進歩してきました。そんな中、未来の災害から命を守るために私たちに求められることは何でしょうか。2つの被災地から、未来の愛媛へのメッセージです。

今からちょうど77年前。1946年12月に発生した昭和南海地震。

建物の倒壊や津波などによる被害は西日本を中心に広範囲にわたり、死者・行方不明者はあわせて1443人。愛媛でも、現在の西条市や伊予市などで26人が亡くなっています。

当時、小学5年生だった杉野幸恵さん、87歳。隣に住んでいた親友が家の下敷きになり亡くなりました。

杉野さん:
「さえちゃん、来たよ」

年に4回のお墓参りを今でも欠かさず行っています。

杉野さん:
「さえちゃんは、かわいらしくてね、明るい子やったね。次、私らがさえちゃんに会ったのは、もうきれいにして寝とるのと同じ感じやったね。あの時のことは今も目に浮かぶけどね」

江戸時代の安政南海地震から92年が経って発生した昭和南海地震。

それからおよそ80年が経ち、国は南海トラフ巨大地震が40年以内に「90%程度」の確率で発生するとしています。

津波研究の第一人者が全国各地へ視察訪問 最新の津波避難タワーとは

11月、高知空港に降り立ったのは、津波研究の第一人者である東北大学の今村文彦教授です。

東北大学 今村文彦教授:
「南海トラフの地震津波の対策の現状ということで、特に津波の避難・対応避難タワーとか計画などを視察に来ました」

香南市防災対策課 足達剛課長補佐:
「レスキューマークですね。物資を下ろしたり、急病人をここから吊り上げたり」
今村教授:
「なるほど」

南海トラフ巨大地震対策を検討するワーキンググループなど、国の有識者会議に名を連ねる今村教授。防災・減災に関する様々な研究や提言を行いながら、日々全国を飛び回っています。

訪れたのは最新の津波避難タワー。

今村教授: 
「これ実は冬だけでなく夏がかなり厳しいんですね、屋上は。それに対して日陰があると。下の方が滞在するには良いところという風に、二重に避難する場所を確保するのは大切」

屋上の一つ下のフロアにも避難スペースを確保。

    おすすめ