話題の書店…オープンしたのは「定山渓の温泉ホテル」?ありそうでなかった“湯と本のコラボ”
定山渓温泉のホテルの中にオープンした書店が話題を呼んでいます。
なぜホテルに書店をつくったのでしょうか。
日常を忘れ、癒しのひとときが流れる札幌・定山渓温泉のホテルです。
このホテルに先週オープンしたのがー
その名も「風呂屋書店」です。
風呂おけや脱衣棚など、お風呂屋さんをモチーフにした店内に、およそ2500冊が並びます。
例えば、温泉やサウナに関する本など品揃えも個性的です。
(野見山アナウンサー)「ホテルの中にある書店だからこそのまったりとした空間を楽しむことができます。時間を忘れて読書を楽しめそうです」
本は閲覧スペースなどで自由に読むことができます。
宿泊客は入場無料。
宿泊客以外も入場料1100円を支払えば利用することができます。
(宿泊客)「めっちゃいいと思います。きのう結構ずっとここで読んでいて快適だった。面白いのでもっと広まったらいいかなと思う」
では、なぜ温泉ホテルの中に書店をつくったのでしょうか?
(定山渓第一寶亭留翠山亭 大島彩乃さん)「ご宿泊の方は1泊約20時間ご滞在されますので、ゆっくりとした気分で足を延ばして読書を楽しむという時間を過ごしていただけたら。予想以上に購入する人が多く、旅先で出会った本を持ち帰る事で、自分の旅のおみやげや思い出になることもあると思う」
書店で好みの本を見つけてもらい、ホテルに滞在する時間の満足感を得てほしいというのが狙いです。
一方で、書店の減少は続いています。
この2年間だけでも、全国でおよそ754の店が閉店しているのが現状です。
道内では芦別市で2019年にマチ唯一の書店が閉店するなど、書店がない自治体が4割を超えています。
(市民)「私ぐらいの年齢だとちゃんと手に取って見たい。アナログ人間だから」
(市民)「実際に書店に立ち寄って選ぶ方がやっぱり楽しいですよね」
こうした中、新たにオープンした温泉ホテルの中の書店。
運営をサポートするのが大手印刷会社です。
全国で書店の減少が続く中、課題解決につなげたいという思いがありました。
(大日本印刷 上埜匡昭さん)「本業の付加価値を高めるために、書店という形式の体験サービスを取り込みたいというニーズを見込んでいる。今回のサービスがそこ(書店減少)に対して何かしら貢献できる効果はあるのではないかと考えています」
温泉ホテルに誕生した「風呂屋書店」。
スマホやパソコンに接する時間が長いいま、温泉ホテルでの読書がより贅沢に感じられそうです。