【能登半島地震】犠牲者の死因最多は「圧迫死」 法医学者が見た被災地 新潟県内も住宅の耐震化が課題 《新潟》
新潟大教授が被災地に派遣され調査
新潟大学死因究明教育センターでセンター長を務める高塚尚和教授です。能登半島地震の犠牲者の死因を調べるために1月、日本法医学会のメンバーとして被災地に派遣されていました。調査の結果、最も多かったという死因が。
新潟大学死因究明教育センター長 高塚尚和教授
「圧死ですよね。圧死が半分以上あった。息をしているとき胸腹部は動いていますけれども、そこに対して圧がかかると息ができなくなる」
家屋倒壊による圧迫が7割近く
日本法医学会が犠牲者131人を調べたところ、死因として最も多かったのが「家屋の倒壊による圧迫」で88人。全体の7割近くを占めていました。がれきに押しつぶされ、頸部や胸腹部が圧迫されるほか、頭部を損傷し致命傷になった場合も。
「家屋の倒壊」が相次ぎ、多くの命が失われた要因の1つとして、高塚教授は能登半島の住宅のある特徴が印象に残っていると言います。
新潟大学死因究明教育センター長 高塚尚和教授
「少し古くて瓦の家が多い印象は受けた。つぶれている家は、やはり建築から時間が経ったものが多いのかな」
住宅の耐震化が課題
県内でも地震による住宅被害は7日時点で1万5410棟に上り、そのうち92棟が全壊となっています。命を守るためにカギとなるのが住宅の耐震化です。
県は昭和56年5月以前に建てられた旧耐震基準の住宅を対象に耐震化を進めています。県内の住宅の耐震化率は85%。これを2025年度末までに93%までに上げる目標を掲げています。
補助制度の利用を呼びかけ
地震から命を守るために。
県内の市町村の多くは耐震改修の補助制度を設けていて、県は利用を呼びかけています。
2024年2月8日「夕方ワイド新潟一番」放送より