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【特集】2000億円の大型開発が進む妙高高原エリア シンガポール人投資家を直撃 その未来図は《新潟》

2024年4月12日 21:50
【特集】2000億円の大型開発が進む妙高高原エリア シンガポール人投資家を直撃 その未来図は《新潟》

この冬もインバウンドによる海外からの客でにぎわった妙高市。

いま、この妙高高原エリアでシンガポール人の投資家による大型開発が進められています。
「妙高に世界的なリゾートを作る……」こう話すキーマン、ケン・チャン氏とはどんな人物なのか。妙高の“未来図”について聞きました。

◆妙高高原エリアの大型開発に着手

妙高市関川にある「ライムリゾート妙高」です。
ここを拠点に今後、妙高高原エリアの大型開発に着手するのが、シンガポール人のケン・チャンさんです。シンガポールと東京に拠点を置く不動産投資ファンドを運営しています。

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「(妙高の)利便性、自然、いろいろな要素がそろっている街ですので、通年で来られるようなマウンテンリゾート、山のリゾートを開発していくことを目指しています」

◆開発規模は総額約2000億円

パウダースノーで知られる豪雪地・妙高。

いま妙高高原エリアや隣接する長野県に高級ホテルやスキー場など一年中楽しむことができる世界レベルのリゾートを建設する計画があります。

その開発規模は総額2000億円ともいわれています。

ケン・チャンさんは、妙高高原エリアの魅力を次のように話します。
「新幹線の駅、長野、飯山、それから上越妙高3駅に囲まれて、高速道路を降りて5分ぐらいで来られるこれだけしっかりしたスキー場は日本全国でもここくらいしかないと思っています」

◆日本を拠点に

シンガポール人のチャンさん。
なぜ、こんなに日本語が堪能なのか……。
それは彼のルーツにありました。

1967年、医師である父の赴任先・東京で生まれ、6歳まで日本で暮らしました。

その後、学生時代はシンガポールやアメリカで過ごしますが、20代後半からは金融関係の仕事で日本を拠点に活躍してきました。

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「年配の人は“けんちゃん”みんな呼んでいる人たちが多いですね。チャンが苗字と思っていないし、本当に“ちゃん付け”していただいて。親には感謝ですね、覚えやすい名前をつけてくれて」

◆大型開発の第1段階はホテルやアパレルショップなど

妙高で始まる大型開発。第1段階となる場所が、杉野沢地区にある杉ノ原スキー場の駐車場です。

この土地にホテルなど宿泊施設や飲食店、アパレルショップやコンビニなど様々な施設の建設を予定しているといいます。

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「少し高台にもなっていますから向こうを見下ろすような感じ野尻湖も見えますし向こうは斑尾山。2階3階4階になってくると景色がきれいに見える」

◆地元の反応は

こうした大型開発に地元の反応は……。

杉野沢地区で祖父の代から続く宿を営む山川茂夫さん。高齢化が進むふるさとを目の当たりにして新たな開発に期待しているといいます。

【民宿を経営 山川茂夫さん】
「現状のままでもどんどんすたれていく一方だったから。開発していただけるというのは明るい要素でもあるのというところはありますけどね」
「否定はできないかなと」

ふるさとの未来が明るいものであってほしい。
そう思う理由が……。

いま、地域の子どもがどんどん減っているといいます。
娘の紗生さんは保育園に通っていますが……。

<祖母・協子さん>
「この子の上も下もいないの、このかいわいに。だから保育園のバスが送り迎えするんだけど、この子1人だけなのいま」

◆宿泊施設は減少

杉野沢地区の観光協会長を務める山川さん。
1990年代には観光協会に加盟する宿泊施設がおよそ100軒ありましたが、いまは30軒ほどに。

こうした現状に危機感を持っていました。

【山川茂夫さん】
「この辺とかみんな辞めた宿なので」
「さみしいのもあるけど、仕方ないかなというところはありますよね。あそこのうちも高齢の夫婦で2人だけでやっているとか」

◆バブル崩壊でスキー客も減少傾向に

1980年代後半に訪れた空前のスキーブーム。しかし、バブル崩壊後は多くのスキー場で客が減少傾向に。

妙高で大型開発を進めるシンガポール人のケン・チャンさん。新たな“仕掛け”が地域の再生につながると指摘します。

◆世界レベルのスキー場に

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「バブルがはじけてからしばらく国内でのスキーの人気が下がってきて、スキー場に対しての投資、追加投資がって30年間ほとんどされていない」

「施設が老朽化しているからお客さんも来なくなった。しっかり整備して投資もして世界レベルのスキー場を作ることになったら国内のお客さんも海外のお客さんもついてくると思うんですけど」

◆「4が不安、6が期待」

スタートを切ったふるさとの新規開発。
地元の観光協会長・山川さんの思いは……。

【山川茂夫さん】
「6対4くらいですかね、4が不安、6が期待」

その不安のひとつが……。
【杉野沢 観光協会長 山川茂夫さん】
「お客さんの層が全然違うと思うんですけれども、スキー場開発にあたって値上げをして日本の方々が来づらくなるのではないかという」

リフト券などスキー場の値段が上がれば常連客の足が遠のくのではないか……という不安もあります。

◆リゾート開発に欠かせないことは

お箸を上手に使い食堂でカツ丼をほおばるチャンさん。
リゾート開発に欠かせないことを尋ねると、その答えは「5つ星ホテル」でも「ブランドショップの誘致」でもありませんでした。

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「スタッフのスペースをしっかり大事にして考えていると思ってくると、従業員のモチベーションも上がっていくし、いいサービスも提供できる」
「街自体で働く人たちの環境作り、住む場所とかコミュニティ作りも考えていかなければならないと思っています」

◆若い人が“働きたい”と思う街をいかに作るか

働き手不足が課題となる、いま。
若い人が“働きたい”と思う街をいかに作っていくか……。
それが最大のポイントだといいます。

【ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャンさん】
「不動産投資って作ったものを風呂敷に包んでこれを一式、海外にもって帰ることはできない。次世代の人が妙高に戻ってきてここに住みたいとか、新たな人が移住して、次世代、次々世代のことを考えなければいけないと思っています」

妙高で進む大型開発にバラ色の未来は……。
第一弾の完成は2028年ウィンターシーズンのオープンを目指しています。