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【特集】岐路に立つ繁華街「古町」 西堀ローサの今後は 街の魅力を発信する若い世代が考える“まちづくり”とは 《新潟》

2024年2月24日 16:50
【特集】岐路に立つ繁華街「古町」  西堀ローサの今後は 街の魅力を発信する若い世代が考える“まちづくり”とは 《新潟》

新潟市の新年度予算案から“街づくり”を見つめます。
湊町文化が息づく「古町」について。

中心街のなかでどのように特色をアピールし、新たなファンを獲得するのか。
街の魅力を発信する若い世代に迫ります

■地下街「西堀ローサ」を新潟市が取得へ

2月21日、新潟市がある方針を示しました。

〈新潟市 中原八一市長〉
「この度、西堀ローサを新潟市が取得することを決めましたので報告します」

古町エリアにある「西堀ローサ」。
運営会社の解散が決定していましたが、新潟市がこの地下街を取得するというのです。

市は、新年度予算案に活用方法などを検討する費用として500万円を計上しました。

■開発進む「にいがた2km」 その終着点・古町は

岐路に立つ古町・・・。

市はJR新潟駅から古町までを「にいがた2km」と呼び、まちづくりを進めています。

「出発点」の新潟駅はリニューアル工事が進み、周辺では積極的な企業誘致が行われている中、2kmの「終着点」、“古町”の針路は・・・ 。

■古町を拠点に地域の魅力を発信

古町を拠点に地域の魅力を発信している金澤李花子さんです。

〈金澤李花子さん〉
「せかせかしていないよね。まったり歩いている感じ」

昨年の秋からは、三越の跡地で廃バスなどを活用した新たな交流スペースを作り、 “案内人”を務めています。

〈金澤李花子さん〉
「新しい古町の顔が見たいというか。人の興味の中心がいつもここにあったらいいと思っていて」

中学・高校時代を新潟で過ごし、古町は大好きな場所でした。

大学時代に上京し、その後東京の出版社へ・・ ・。
そのころ、古町は、老舗デパート「新潟三越」が閉店。

流行の発信地だった西堀ローサも人通りが少なくなり、街の灯りは消えつつありました。

■ガイドブック「新潟古町100選」を制作

大好きな古町の魅力を多くの人に知ってほしい。
3年前、新潟にUターンした金澤さん。

古町を愛する仲間とともに、街の魅力を紹介するガイドブック「新潟古町100選」を制作しました。

〈金澤李花子さん〉
「本当にディープなところからメジャーなところまで、幅広いところが古町の魅力のひとつだと思うので。そういうところを大事にしていける街であってほしいし、そういうものが大事にできる人たちが楽しめる街であるといいなと思って」

飲食店や専門店、そして観光スポット・・
「新潟古町100選」は、古町で暮らす人や店を営む人など、50人以上の“オススメ”を一冊にまとめたものです。

■高校生もプロジェクトに参加

古町で生まれ育った高校3年生の榎並詩乃さん。
古民家再生など、地域の建物に興味を持ったことがきっかけでプロジェクトに参加しました。
「古町100選」では、小さい頃から通う家具店を紹介。

写真や文章の制作に携わりました。

〈榎並詩乃さん〉
「私、結構ここの家具が好きなんですけど、将来こんなイスとか欲しいなとか考えたりするのが好きで。絶対紹介したかったです」

■中心部の交流人口を増やすための取り組みに新たな予算

先日発表された新潟市の新年度予算案。
「にいがた2km」関連には、今年度より5億7000万円多いおよそ26億円が充てられました。

このうち、三越の跡地を中心とした西堀通5番町の再開発事業に7億3000万円あまり。
また、古町の空き店舗を活用する事業におよそ1600万円。

そして、中心部の交流人口を増やすための取り組みに新たな予算がつきました。

〈新潟市 中原八一市長〉
「にいがた2kmの街づくりを、若い世代の皆さんも主体的に考えていただきたい。またそういう人材が新潟の中にいると、稼ぐ力につながっていくと思うんですよね」

■“古町の未来”について

古町芸妓のあおいさんです。

新型コロナが5類に移行し、インバウンドによる外国人客が急増する一方で、県の内外からの新たな客は増えていないといいます。

地元では“古町の未来”について不安の声を耳にすることも。

〈古町芸妓 あおいさん〉
「すごく取り残されている感を聞くんです、古町の人たちから。よその人が来てくれる、街の人が使いやすい、それでにぎやかになっていく。(にいがた2kmが)遊びに行くならあのエリアだよね、あのラインだよねと言われるようなラインにならないかなって」

JR新潟駅周辺で活発な企業誘致が進むなか、中心部で働く人にもっと古町を活用してほしいと願っています。

〈古町芸妓 あおいさん〉
「古町エリアだけを何とかしてくださいとか1回も言ってないはずなんですよ。連携というか、古町エリアという大人の街をもっとうまく使ってくださいと、(古町の)皆さんは言っていると思うんです」

■若い世代が考えるまちづくり

古町の魅力を発信する本を手がけた金澤さんと榎並さん。

中心部の再開発を実感するなか、いま思うことが・・・

〈金澤李花子さん〉
「新潟駅、万代、万代島、古町、にいがた2km。それぞれは面白い場所がある街だと思いつつ、そこがまだうまく混ざり合っていないと私は古町にいて思っていて」

「にいがた2km」内にあるエリアごとの魅力がさらに伝われば、交流人口が増加して新たな“にぎわい”につながると考えています。

〈金澤李花子さん〉
「特に新潟駅だとベンチャー企業が来たりとか。仕事だけで来て、その範囲で終わってしまうのはもったいない。もうちょっと回遊できるといいなと思っていて・・・。駅の方が古町で街遊びを体験できるとかそんな仕組みがあるといいと思ったりしています」

〈榎並詩乃さん〉
「古町100選にかかわってみると、古町ってこんなにいっぱい店があるんだという気づきと、(将来)空き家を利用した店とか、新しい店につなげていけたらいいなというのがひとつの夢ですね」

きょうも、あしたも、10年後も。 魅力ある古町に・・・。

若い世代も“まちづくり”について考えています。