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【特集】トキエア 1月31日就航へ 地元企業にも支えられ羽ばたく 新たな社員にラグビー元日本代表選手も 《新潟》

2024年1月19日 20:44
【特集】トキエア 1月31日就航へ 地元企業にも支えられ羽ばたく 新たな社員にラグビー元日本代表選手も 《新潟》
新潟空港を拠点とする地域航空会社トキエア
1月31日の就航が近づいてきました。フライトを支える地元の企業・・・そして新たに社員となったラグビー元日本代表の現役選手を取材しました。

◆ことしは飛躍の年

新潟の新たな架け橋になるために・・・勝負の年を迎えました。

仕事始めの1月4日。
新潟空港にあるトキエアの事務所には、オンラインで年頭のあいさつを聞く社員の姿がありました。

〈トキエア 長谷川政樹社長〉
「我々このメンバーで、この就航の瞬間をとにかく走り切る、やりきる。トキエアにとってこの2024年は大きく飛躍をする年になります」

◆社員は全国各地でリモートワーク

新潟空港を拠点とする地域航空会社「トキエア」。
ことしは札幌市にある丘珠空港への就航を皮切りに、仙台、神戸、中部国際(愛知)、さらには佐渡と首都圏を結ぶ路線へと拡張させる計画です。

これまで就航の延期を繰り返してきましたが18日、1月31日の就航決定と19日からチケットを販売開始すると発表しました。

〈トキエア の社員〉
「これまで準備してきたので、ひとつひとつ就航に向けてやっていくところです」

「皆さんに安心して乗っていただけるような航空会社を目指していきたいなと思います」

社員は現在130人ほど。ほとんどが全国各地でリモートワークをしています。

新潟の事務所に勤める松浦克俊さんです。
以前は自衛隊で気象予報官として戦闘機のパイロットに情報を伝える仕事をしていました。

そして、築井翼さん。
松浦さんと自動車関係の職場で一緒に働いていたといいます。

2人とも航空機の管理などを行うオペレーション室に所属していますが、今は社内のあらゆる調整を担っています。

1月、2人は地元の鉄工所を訪ねていました。
2人が製作を依頼していたのは、車いすで飛行機に乗り降りするための昇降機です。
この日は、最終段階の打ち合わせでした。細かな点まで様々な要望を伝えます。

〈トキエア 松浦克俊さん〉
「今更かもしれないですけど、ここに折り目のような、脱輪しないような板が降りるじゃないですか。真っ平じゃなくて、端っこを立ち上げることはできるのですか?」

〈吉川鉄工所 吉川剛社長〉
「できますよ」

〈トキエア 松浦克俊さん〉
「その方が安全かなってふと思ったのですよね」

◆「地域創生の一端を担いたい」

新潟空港のおひざ元、新潟市東区の工業地帯にある吉川鉄工所。

産業機械の部品やプラスチック容器の金型などを作っていて、オーダーメードのものづくりを得意としています。
細かい調整ができるのは地元企業の強みです。

〈トキエア 松浦克俊さん〉
「(昇降機は)既製品としてはあったのですが、正直、金額が高かった・・・」

昇降機の既製品は1台、数千万円。納期は1年半以上かかります。

そこで吉川鉄工所に注文したところ、大幅なコストカットがかない、納期も半年に短縮することができました。

鉄工所はこれまでに、トキエアからの相談を受け、手荷物のサイズを測るための道具なども作っています。

築井さんが偶然この鉄工所を見つけ、声をかけたといいます。

〈トキエア  築井翼さん〉
「僕がまだ入社する前に(鉄工所を紹介)したのですよ」

〈トキエア  松浦克俊さん〉
「私は入社していて、(鉄工所)ない?と(築井さんに)聞いて。『ある』ということだったので、じゃあ行くみたいな感じです」

〈吉川鉄工所  吉川剛社長〉
「本当にびっくりしまして、え?と思って。最初は騙されているのかと思いました。でも松浦さんとお会いして話していくうちに、やらないといけない使命感が出ました。おもしろいじゃないですか、初めてのことなので」

地域航空会社のトキエアは心強い地元企業に支えられているのです。

〈トキエア  松浦克俊さん〉
「やはり私たちも、地域創生の一端を担いたいと思っているので。協力してもらいたいのもあるし、私たちもそれに対しての恩返しという意味で、皆様の夢や希望を乗せて色々な所に就航していきたいと考えています。今後とも協力関係を築いていきたいと思っています」

◆ラグビー元日本代表も社員に

トキエアには意外な人も入社しました。仕事始めの日、あいさつしたのは・・・。

〈 トキエアに入社した山田章仁さん〉
「昨年の10月ぐらいから事業戦略室に籍を置かせていただいて、現在は新潟・佐渡を中心に魅力をPRしています」

ラグビー元日本代表の山田章仁さん。
九州電力キューデンヴォルテクスに所属する現役選手です。

2015年のワールドカップではサモア戦でトライを決め、日本の勝利に大きく貢献しました。

一体なぜ、トキエアの社員になったのでしょうか。
トレーニングの合間に取材にこたえてくれました。

〈トキエア社員・ラグビー選手  山田章仁さん〉
「最初は共通の知人を通じて(長谷川社長と)出会ったんですが、夢を語り合う中で、新潟に日本を代表するものがあるので、日本中、世界中にPRしながら日本を背負って一緒に戦っていきたいと思いました。それは私が2015年に経験した日本代表のチームと重なることもあって、何かお力になりたいということで入社させていただきました」

発信力を活用することで、現役アスリートの価値を高めたいという狙いもあります。

◆ラグビーと共通点も!

さらに、自身とトキエアには共通点も多いようで・・・。

〈トキエア社員・ラグビー選手  山田章仁さん〉
「一番は、私ポジションがウイングなので。翼を授けていただいているところで言うと、2024年一発目の試合で(リーグ戦通算)100トライをさせてもらった。ダイビングジャンプはトキエアジャンプトライとなっています」

北九州出身ですが、新潟に親近感があったとも話します。

〈山田章仁さん〉
「笑わない男の稲垣さん。僕はすごく仲良くさせてもらっているので、彼から新潟の話をよく聞いたりして、すごく身近に感じていました」

先月、羽田空港で行われたトキエアとJA佐渡の共同イベントでは、自ら佐渡の魅力をPRしました。

〈 山田章仁さん〉
「佐渡のお米!いっぱい食べられます。お茶もあります。佐渡には実は何でもあるんです」
「佐渡と言えば朱鷺、朱鷺と暮らす郷ですね。金山が世界遺産になろうとしているので、金も」

いまは佐渡の特産物などを定期配送するサービスを企画し、自らJAと連絡を取りあい計画を進めているとうことです。

〈 山田章仁さん〉
「いろんなことをやれる時代ですから。思い切ってエンジンをかけて、離陸、飛んでみていいかなと思っています」

新しい仲間も迎え、いよいよ就航へ向け羽ばたこうとしています。

◆1月31日就航へ

〈トキエア 長谷川政樹社長〉
「時間軸をきちんと意識して目標到達に頑張っていきたい。全員で協力して頑張っていきたいと思います」

就航に向けた動きを加速させるトキエア

新潟の空の架け橋となれるのか。飛躍の日が近づいています。