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暖冬から一転、3月は寒気が流れ込む日も 凍霜害からサクランボを守れ キャラバン出発

2024年3月19日 21:11
暖冬から一転、3月は寒気が流れ込む日も 凍霜害からサクランボを守れ キャラバン出発

今シーズンは2月まで暖冬少雪と言われていましたが、3月に入り、寒気が流れ込む日も増えています。霜や凍結によるサクランボの被害が懸念される時期を前に、県は19日、対策の徹底を呼びかけるキャラバンを開始しました。

上山市で行われたキャラバンの出発式には、県やJAの関係者らおよそ30人が参加しました。ことしの冬は2月まで気温が高めに推移し、サクランボの生育が早まり、急激な冷え込みによる被害が大きくなる恐れがあるとして、去年より10日ほど早くキャラバンが結成されました。今後、県内で霜注意報が発表された場合、広報車で園地を周り、生産者に霜被害の対策を呼びかけます。

「霜注意報など気象情報に十分注意し、適切な対策を行いましょう」

去年は、3月の気温が高くサクランボの発芽が平年より早まりました。そして、3月下旬から4月下旬にかけて、芽が最も弱い発芽の時期に霜が降りたことで、各地で霜被害が発生しました。県・農業技術環境課などによりますと、ことしは暖冬の影響で2月中旬までは、去年よりもさらに生育が早まりました。

現在は、2月下旬以降の低温で生育が落ち着いているものの、平年よりも生育が早く、去年のような被害を避けるため、今後、霜対策が必要とみられています。

「こちら、佐藤錦のつぼみ。まだ発芽前だが、この後花芽がふくらんで、2週間後ぐらいに霜の影響を受けやすい時期を迎える」

出発式のあと、県とJAの担当者は上山市内のサクランボ畑を巡回し、被害を軽減する取り組みを確認しました。こちらの須田和弘さんの園地では、花芽に水をまき、表面を凍らせることで内部の過度な温度低下を防ぐ「散水氷結法」を導入しています。

生産者・須田和弘さん「外気温が2度から3度になったらスプリンクラーから水をまく。枝を凍らせる。毎年厳しい気象条件の中で自分たちの力で自然に勝つという方法としては非常に有効な手立て」

山形地方気象台の3月16日からの1か月予報では、気温は、ほぼ平年並みと見込まれていますが、3月下旬以降は、ほぼ平年並みか高めで推移する見込みです。気温上昇で生育が早まる可能性があることから県は、早めに霜被害の対策を整えるよう呼びかけています。