特殊詐欺の前兆電話「アポ電」撲滅へ 山形県警がAI活用した注意喚起システム導入
山形県内で増加している特殊詐欺の前兆電話いわゆる「アポ電」への防止対策として県警本部は人工知能・AIを活用した注意喚起システムを10月から導入します。このほど、報道機関向けの説明会が開かれました。
AI音声「こちらは山形県警です。山形市内で警察官を語るオレオレ詐欺のアポ電が発生しています。窓口での警戒強化をお願いします」
県警察本部が導入するのは、NTT東日本が提供する自動架電システム「シン・オートコール」です。
このシステムは、特殊詐欺の犯行予兆電話、いわゆる「アポ電」を受けた県民からの通報で警察が認知した際、登録している金融機関などの番号に一斉に電話し、指定したメッセージをAIが読み上げます。東北地方の県警では初めての導入です。
これまでは「アポ電」を認知しても警察官が各金融機関に個別に電話対応するため、手間と時間がかかっていました。今回のシステム導入によって金融機関と一斉に情報共有を図ることが可能になり、金融機関の窓口やATMでの警戒が強化されることで、被害防止への効果が期待されます。
この日は報道陣向けのデモンストレーションが行われました。
電話「こちらは山形県警です」
AIからアポ電について一斉連絡を受けた金融機関では次のように対応する想定です。
窓口対応「金額大きいですが使い道お決まりですか」「警察から連絡があって」「銀行にも県警から連絡があって今市内で警察官を語る不審な電話がかかってきているそうなので、お話お伺いしてもいいですか」
県警生活安全企画課によりますと、県内ではことし9月末までに合わせて755件のアポ電が発生しており去年の同じ時期に比べて、407件増加しています。
県警察本部生活安全企画課 加藤幸生企画担当補佐「シン・オートコールの最大の特徴は、一斉架電、迅速かつ確実に情報が伝達されること。金融機関の水際対策が強化され、被害防止に繋がることを期待している」
新たなシステムははじめに県内の金融機関およそ660店舗で導入を予定していて、11月はじめから、運用がスタートします。その後はコンビニエンスストアやタクシー会社などへの導入を拡大していく方針です。