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赤ちゃんの遺体を遺棄した事件 被告の女 同棲していた男から暴力「心神耗弱状態」と弁護側

2024年9月30日 17:42
赤ちゃんの遺体を遺棄した事件 被告の女 同棲していた男から暴力「心神耗弱状態」と弁護側

出産した赤ちゃんの遺体を千葉県の海岸に投げ捨てた疑いで死体遺棄の罪に問われた女の初公判が30日、山形地方裁判所で開かれました。女は起訴内容を認めましたが、弁護側は当時の責任能力について争う姿勢です。

死体遺棄の罪に問われているのは愛媛県松山市の無職・上田綾乃被告(38)です。上田被告はことし3月1日から2日までの間に、出産した赤ちゃんの遺体を東京都内から千葉県銚子市の犬吠埼の駐車場に運び、近くの崖下に遺棄したとされています。
初公判で上田被告は、起訴内容を認めました。一方、事件当時は心神耗弱状態だったとして弁護側は当時の責任能力について争う構えです。
検察側の冒頭陳述によりますと、上田被告は東京都内のホテルで赤ちゃんを出産したものの、動かなかったことから死産したと考え、当時同棲していた男に連絡。男は死体遺棄教唆などの罪で裁判が進められている碓井康哲被告で、上田被告は碓井被告から遺体を遺棄するよう指示され、自ら実行しました。
弁護側は事件当時の上田被告について「修行」と称した暴力を受けるなど、碓井被告から支配されていたと説明。その上で、上田被告は別の男性との妊娠を碓井被告に伝えた時のことを振り返り、「『お腹の中に悪魔がいる』と言われ腹を蹴られるなどの暴力を受けた」などと、恐怖心を語りました。
上田被告も赤ちゃんは悪魔であると信じるなど、当時は自分では何も考えられない状態だったと説明しました。
次回の審理は11月13日で、被告人質問などが行われる予定です。