この冬蔵王温泉を訪れた外国人観光客12.9万人過去最多 樹氷見学や高級な日本酒が人気
蔵王温泉にこの冬訪れた外国人観光客の宿泊者数が過去最多となったことがわかりました。円安の影響で蔵王での外国人観光客による消費が大幅に伸びた一方で、雪のない時期の観光客の呼び込みが課題となっています。
蔵王温泉観光協会によりますと、去年12月からことし3月までの間に、蔵王温泉に宿泊した人の数は推計でおよそ12万9000人で前のシーズンに比べて1万2000人ほど増えました。このうち、外国人観光客はおよそ1万9000人で、前のシーズンの3倍近くに増え、2009年の統計開始以降、最も多くなりました。
この旅館では、この冬の宿泊客のおよそ7割が海外からの観光客だったといいます。
名湯舎・創尾形昌 マネージャー「昨年より10%くらいは外国の客が増えている。冬は樹氷を見に行く方が圧倒的に多い」
この旅館に宿泊する外国人は主に台湾や香港などアジア圏からの観光客で、宿泊客がすべて外国人だった日もあったということです。露天風呂や夕食で提供される県産豚のしゃぶしゃぶが特に人気だったといいます。
名湯舎・創尾形昌 マネージャー「円安だからという言葉は直接的にお客さんから聞いていないが、物販に関しては海外の方から高い物を買い求められている」
温泉街にある「山形酒のミュージアム」です。店内には80種類を超える県産酒が並び、その場で試飲して購入することができます。
山形酒のミュージアム川口洋一さん(こちらのお店にも海外の海外の方は多く来た?)「冬場は8~9割が海外の方で。事前にきちんと下調べをしてくる人が多いのでおいしいお酒で特に高級なものを目指して来る人が多い」
売れ筋は純米大吟醸の日本酒で、720ミリリットル入りの1本6000円から7000円台の商品が人気を集めました。特に、いま日本酒がブームだという台湾からの観光客が多く買い求めているといいます。
山形酒のミュージアム川口洋一さん「現地でも山形の酒を販売しているそうだが、関税の関係で3倍の値段で買われているので、安く買える山形で指名買いをするパターンも結構あった」
一方、蔵王温泉を訪れる外国人観光客は樹氷や雪を目当てにしている人が大半のため、雪のないシーズンは観光客の9割が日本人でインバウンド効果はほとんどなくなるのが実情です。
名湯舎・創尾形昌 マネージャー「インバウンドのお客さんは増えてくると思うが、飽きられないように蔵王も取り組みが必要。もうちょっと街並みを楽しんでもらったり、おいしいものを食べたりおいしいお酒を飲んでもらえるお店がもっと増えればいいかな」
円安が続き、インバウンド客の消費に大きな期待が懸かる中、冬だけでなく雪のない時期にも外国人観光客を呼び込めるかが今後の課題となっています。